クレジットカードの業務において頻繁に耳にするのが「洗替(あらいがえ)」という言葉です。いかにも金融用語っぽくてなんだか「ロンダリング」をイメージしてしまいがちですが、本当はクレジットカード業務では欠かせない重要な業務の一つです。
目次
洗替とは簡単にいえばカード情報の更新業務のこと
クレジットカード会社において重要な業務の一つが「洗替(あらいがえ)」ですが、これは端的にいえばクレジットカードの更新業務のことです。
もっとも頻繁に行われる洗替は有効期限の更新です。これ以外にもアフィニティカードやプロパーカードなどでよくあるのは「月額課金の更新」、「登録カードの更新」などの全件オーソリ業務を伴うケースがあります。
洗替とは避けては通れないカードの有効期限エラー対策
クレジットカード業務には大きく分けて
- ブランド:VISA、JBLなどクレジットカード会社
- イシュアー:ユーザーにカードを発行する業者
- アクワイアラー:加盟店を募集して管理する業者
に分類されます。クレジットカード決済が浸透した現代では非営利団体とブランドが提携するアフィニティカードや法人がイシュアーとアクワイアラーを兼ねるプロパーカードなどがあり業務形態が非常に複雑化しています。
しかしいずれのカードにも「有効期限」があるのでこれを更新する洗替は重要な業務ということになりますが、問題は洗替をブランド、イシュアー、アクワイアラーのどこが担当するか?ということになります。
洗替業務は基本的にイシュアーの役割
洗替がカード情報の更新業務であるとするなら直接ユーザーに対してカードを発行するイシュアーが担当するというのが基本的な考え方になります。
しかし、わかりやすい例として月額定額課金で運営している音楽配信サイトを考えてみましょう。仮にこれをA社とした場合イシュアーとアクワイアラーはこのA社が担当することになり形態はプロパーカードになります。
月額課金をクレジットカード決済するためにブランドと提携してる場合月額利用料のオーソリ(与信)をクレジットカード会社に対して行い顧客情報やカードデザインの更新などを行うのもA社の担当ということになります。これを「全件オーソリ」と言います。
洗替とセットのクレカ用語「オーソリ」って何?
では、ここで「オーソリ」という言葉が出てきたので洗替とは切っても切れない業務「オーソリ」について軽く触れておきましょう。
オーソリとは「与信」のことです。与信とはクレジットカード決済の時に加盟店がクレジット残高などをカード会社に問い合わせることで、通常は加盟店管理なので「アクワイアラー」の担当ですが、現在はCATやPOS端末を使って自動的にオーソリ業務が行われています。
全件オーソリ運用とオーソリなし運用の違い
前述したようにカードの発行形態が複雑化した現在ではオーソリ業務の中には与信以外にも
- カード情報管理:顧客情報や有効期限など
- 課金業務
- アフターサービス業務:カードデザインの更新など
などがあります。こうした業務を包括したものを「全件オーソリ」と呼んでいます。もしA社が無料で期間限定の楽曲配信サービスなどを行う場合は特にオーソリ業務とは関係ないので「洗替」だけを行うことになります。
このように洗替とオーソリとは密接に関係しているのですが業務内容によってはオーソリなしの運用も行われます。
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