目次
玩具業界ってどんな業界?
玩具業界とは、シンプルに「おもちゃ」を作って売るというのが基本ですが、おもちゃと言っても細かく分ければ、人形からフィギュア、ミニカーやブロック、そしてボードゲームまで限りなく拡がります。
玩具業界の各企業は、それぞれの得意分野に特化した商品ラインナップを持っていますが、主なメインターゲットは子供になります。
そんな玩具業界について紹介していきます。
玩具業界での主な職種
玩具業も大きな括りで言えば「メーカー(製造業)」ですので、メーカー他業界と職種が大きく異なることはありません。
玩具業界ならではの、それぞれの職種の仕事内容をみていきましょう。
企画職
玩具業界での企画は、もちろん新しいおもちゃを考えることです。
この仕事では、対象である子供の年齢や性別そしてアニメや漫画など子供たちの間で流行っているものを考慮に入れることが必須でしょう。
加えて、多種多様な商品が生み出されるなかでは、類似製品との差別化なども企画職に求められる大きな要素となります。
デザイン職
企画が通った商品は、いよいよデザイナーによって試作が行われます。
この時、玩具のデザインでは対象が子供ですので、なによりも「安全性」が求められます。
子供が小さい場合は、おもちゃを投げたり落としたりと予想外の扱いをされること、そして誤飲などの危険性もあるため、最大限の配慮が必要となります。
営業・マーケティング職
営業職についても、大手販売店への営業や新製品の売り込みなど他業界と同様ですが、玩具業界ではクリスマスやお正月など大きな繁忙期があります。
それらに合わせて、営業職は売れる商品の見極めをマーケティングしながら、在庫納入管理を行わなければならないこともあります。
また、現在では多くの玩具メーカーは海外での販売に活路を見出そうとする傾向もあります。
今後は、海外営業や大人を対象とした玩具などの新たな販路の拡大に、重要な役割を担うことになるでしょう。
玩具業界で働くメリット・デメリット
玩具業界では「子供の笑顔が見られる」という素敵な特典があります。
もちろん、それ以外にも業界風土や待遇など働くメリットもあります。
反対に注意しなければならないデメリットもあります。
クリエイティブな才能の発揮
玩具業界では、突然大ヒット商品が生まれることがあります。
それらは、時代の機微に敏感なクリエイティブな発想や柔軟な思考から生まれたものです。
新たに生み出される奇抜な発想や面白いアイディアを柔軟に取り入れられる土壌があるのが、玩具業界と言えます。
業界の再編
世界的に大きな玩具メーカー同士の合併や吸収が頻繁にみられます。
これをメリットととるかデメリットととるかは立場によっても異なるかもしれませんが、急に外資系企業になり社内風土が一変するということや、福利厚生がより充実するということもあるかもしれません。
縮小傾向の国内市場
国内の玩具市場は少子化やゲーム業界の影響を受け、決して右肩上がりの成長が見込まれるとは言えません。
アナログなイメージから、よりオリジナルな商品や海外向け商品が業界の主流になってくるかもしれません。
玩具業界に転職ってどうなの?
他業種同様に、中途採用にも門戸は開かれています。
経験や実績を活かした転職から、まったく未経験からの転職など、求人は多種多様です。
玩具業界への適正
昔からアニメやおもちゃが好きだったという人には、魅力的な業界であるはずです。
これまで他業界でも営業職などの経験や実績などがあれば、玩具業界の営業職への転職のハードルは決して高くはないでしょう。
ただ、いきなり企画やデザイン職を希望する場合は、同業や類似業種での経験が必要となってくる場合があります。
中途採用の営業職から、企画やデザインなどへステップアップを視野に入れるのも一つの方法です。
女性に優しい職場
子供向けの商品を扱うということで、女性が重要なポジションを担い、働きやすい職場も多いようです。
とくに「知育玩具」や「女の子向け」の商品では、女性社員の雇用ニーズが高いと言えます。
大手の企業では、子育てをする女性にとっても受け入れ態勢や福利厚生がしっかりしているため、女性の転職の選択肢としても人気です。
外資系からの転職
今後、玩具業界は、外国企業との連携や海外販路の拡大に重点をおくことも多くなりそうです。
その際に、外資系企業の風土を経験した人材や、語学に優れた人材が求められる機会が増えるでしょう。
キャリアアップ、待遇アップの転職として、魅力的な転職先になるかもしれません。
玩具業界の志望動機をつくるポイント
志望動機をつくるうえでは、どういった人材が求められているか、また自らがいかに相応しいかということを把握し、表明する必要があります。
普遍的なモノに新たな価値を創造する
玩具業界には、ヒーロー戦隊やミニカー、レゴやバービー人形など、古くから変わらずに子供から愛され続けているおもちゃがたくさんあります。
もちろん、それだけでも売れ続けるかもしれませんが、そこに現代風の付加価値を加えることで新たな商品展開も可能になります。
そういった新たな価値をつくるアイディアを持っていることが必要です。
アニメや海外のおもちゃなどトレンドに敏感
アニメの影響や海外の流行などから、爆発的なブームや定番の人気を得るに至ったおもちゃは数多くあります。
そうした商品を発掘するために、アニメなどに精通していたり海外のおもちゃ事情に興味があるというのも、一つの大きな武器となり得るでしょう。
新たなビジョンを持っている
子供の市場が縮小するなかでは、大人をターゲットとした高級なおもちゃや知育玩具など、富裕層を対象にした新たな市場の開拓が求められます。
業界の現状を理解したうえで、他業種とのコラボレーションなども視野に、業界の新たな可能性を提示できることは大きなポイントになります。
業界志望動機の例文
上述の志望動機のポイントを踏まえた例文を、下記にあげます。
例文①
私は小さな頃、〇〇戦隊〇〇ジャー(志望企業の主力商品)が大好きでした。
決して裕福な家庭ではありませんでしたが、両親にねだってはそれらの人形やベルトなどを買ってもらったことを覚えています。
そして、今なお同様の商品は多くの子供にとって、あの頃の私と同じ憧れと希望の象徴であり続けています。
そんな普遍的に愛され続ける商品に、AIなど現代のテクノロジーを組み込むことができれば、より楽しい商品が生まれるのではないかと考えます。
そうした新たな取り組みに挑戦できたらと考えています。
例文②
アニメやゲームというと子供が見るもの、するものと考えられてきましたが、昨今では子供から大人まで楽しめるものが増えてきました。
ゲームやアニメから、おもちゃやグッズへと派生するものも数多くあります。
私もこれまでゲームやアニメを数多く楽しんでまいりましたが、これは大ヒットしそうだな、これは大人にもウケそうだと感じることも多くあります。
今まではユーザーという立場からその楽しさや喜びを享受しておりましたが、これからは、その素晴らしさを供給する側として仕事をしてみたいと考えております。
私自身のアニメやゲームへの知見は、必ずやお役に立てるものと考えております。
例文③
国内の玩具業界全体が、新たなブルーオーシャンへの進出を目指しています。
なかでも海外では、メイドインジャパンの玩具市場が開拓できる余地が多分にあります。
また国内では少子化のなか、少ない子供に多くのお金を費やすこととなり、知育玩具などへの取り組みが盛んになってくると思います。
そうしたなかで、私はこれまでいた〇〇業界と玩具業界とが連携した取り組みができたらと考えております。
他業界の先進性や技術と、玩具業界が持つ伝統と革新性を合わせれば、新たな商品・市場が生まれるはずです。
そこで私自身の経験を活かしながら活躍できると考えております。
玩具業界で働く前に覚えておきたい業界用語
玩具業界で働くうえで知っておきたい代表的な用語を、下記にまとめました。
業界研究の際の参考にしてください。
アソート
出荷用にまとめられた状態の商品のこと。
または販売側がいくつかの商品をバランスよく組み合わせて、小売店向け、消費者向けのセット販売用にまとめた商品のこと。
英語でassort(分類する、組み合わせる)。
うさぎマーク
耳の不自由な子供にも楽しんで遊んでもらえるように配慮されたおもちゃであることを示すマーク。
聴覚障害者用マークとも言う。
SFマーク
Safety Fireworks Mark の略称。日本煙火協会が基準検査および安全検査を受け合格したおもちゃ花火に付与するマーク。
同様のマークにSTマーク(SafetyToyマーク)がある。
CEマーキング
Communaute Europeenne Marking 。EU(欧州連合)の安全指令に基づいて、玩具の安全基準条件を満たす商品であることを示すマーク。
このマークを受けることでEU内での自由な流通が保証される。
シークレットレア
トレーディングカードやカードゲームのうち、最も希少性の高いカードのこと。
そのほかに、レア、アンコモン、コモンなどカードの希少性に応じて使用される。
ガチャポン
バンダイは「ガチャポン」、トミーは「ガチャ」というのが正式名称。
お金を入れてガチャガチャとハンドルを回すと、カプセルに入ったおもちゃ等が出てくる機械のこと。通称「ガチャガチャ」「ガチャンコ」など、地域や年代によっても呼び方が違う。
対象年齢
「乳幼児用玩具」と書かれたものは18カ月未満、「子供用玩具」は3歳未満の子供が対象となる。
日本玩具協会によって定められている。
スーフェス
スーパーフェスティバル。25周年を迎えるアートストーム社主催の玩具イベント。
年に3回程度開催される玩具の展示即売会。
10代から50代まで多くのおもちゃファンが集結する。
玩具業界の仕事の先にはみんなの笑顔が広がっている
家庭用ゲーム機や携帯ゲーム、そしてスマートフォンゲームが全盛のなか、玩具業界は生き残りをかけての戦いが続きます。
しかしながら、おもちゃは決してなくなりません。
時代を超えて何世代もの子供に笑顔を与えてきました。
そして、それを見守るパパやママ、おじいちゃんやおばあちゃんも同様に笑顔になってきたことでしょう。
新たな笑顔を生み出し続けるためにも、時代に即した柔軟な変化をし続けていきます。
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