「生涯現役」「現役合格」なんて言葉を耳にすることがあります。
年をとっても現場で若い人と同じように活躍する人や、大学の難しい試験に浪人せず合格した人のことなどを指す言葉です。
そのせいか「現役」という言葉には、ポジティブなイメージを抱いている人も多いでしょう。
ここでは「現役」という言葉を掘り下げて解説したいと思います。
目次
現役の読み方
「現役」とは「げんえき」と読みます。
「現」は「げん」「あらわれる」「うつつ」「あらわす」と読みます。
「現役」の「現」は「今」「実際の」「まのあたり」という意味になるでしょう。
「役」は「えき」「やく」と読みます。
「役」は舞台で割り当てられる配役やポーカー・麻雀・花札の点を得られる条件のことを言います。
「現役」の「役」は言葉の意味から「公用のために課せられる労働・訓練・兵役」といった意味で使われていると考えられます。
現役の意味について
「現役」にはいくつかの意味があります。
まず、軍隊で所属部隊にはいり、軍務に従っていること。その将校や兵士のことを指します。
つぎに、現在ある地位・職について活動していることと、その人のこと。
「今も現役で活躍されている」などはよく聞くフレーズではないでしょうか。
そして在学中に上の学校などを受験する人、その試験に合格した人のことも「現役」と言います。
この3つ目の「現役」の場合、特に大学受験に関してよく使われています。
現役の正しい使い方
現在軍務に従っている人のことを言う場合は「現役軍人」で正解です。
「現役選手」は現在も選手を続けている人、「現役合格」は「高校3年生が大学受験に成功すること」です。
以上から「現役」は「現役」と書いたその時点で、その役を続けている、その役についているのなら正しい使い方をしていると言えるでしょう。
やめてしまった場合は「現役を退いた」「現役を引退して」となり、役に戻った場合は「現役に復し」「現役に戻る」などと言います。
現役の間違った使い方
前述した通り「現役の投手」と表現した場合、投手を続けている人のことを言います。
その時点で投手を辞めていれば「現役」ではありませんので「現役を終えた」「現役を退いた」という表現になります。
「現役」は名詞なので、間違った使い方をすることはあまり無いと思われます。
しかしこの言葉でもしも使い間違いをするとすれば「現役と言われた人が今もその役目を続けているか否か」という情報が正しいか間違っているかの一点になるでしょう。
現役を使った例文
では、以上を踏まえ「現役」を使った例文を2つ、ご紹介したいと思います。
「現役」は日常会話や文章でもたまに登場する言葉です。
週刊誌などの雑誌やインターネット、新聞で目にしたり、テレビで聞くこともあるでしょう。
何気なく使っている「現役」を自分が間違った使い方をしていないか、確認も兼ねて読んでみて下さい。
現役の使い方【例文その①】
例文1 大女優の復帰について語る友人同士
「女優の○○って知ってる?」
「知ってる!昔見た主演映画好きだったなあ。でも一昨年引退してなかった?」
「そうそう、病気だったらしいよ。療養してたって」
「へえ〜そうなんだ。結構な年だったもんね」
「でも次の朝ドラで、ヒロインのおばあちゃん役が決まったんだって」
「現役戻ったんだ、すごいね!見てみようかな」
病気で療養して休業していた大女優が、再び女優としての仕事に戻る。
この場合の「現役(女優)に戻る」は正解です。
現役の使い方【例文その②】
例文2 大学合格した従姉について話す親子
「従姉の○○ちゃん覚えてる?」
「覚えてる、なにかあった?」
「東大に現役合格ですって!すごいわねえ」
「昔からすごい頭良かったもんね、あとでお祝いのメールしてみようっと」
「って何呑気な事言ってるの。
あんたも来年受験でしょ!メールなんかしてないで、勉強しなさい!」
高校3年生が受験して、浪人せずに難関大学に合格しています。
この場合、合格した従姉は「現役」合格です。
現役は英語でなんて言うの?
意味が複数あったとしても日本語では「現役」の二文字で済みますが、英語の場合は意味ごとに分かれるので順番にご説明しましょう。
兵士の現役勤務は「Active duty」となります。
「現役」の意味に合わせ単語そのものが変わっているので、例えば「現役を退く」は「retire」「take one’s leave」、「受験生が現役合格する」で使われるのは「pass」などです。
英語は日本語よりも使い分けが明確なので、意味が伝わりやすいかもしれません。
現役は中国語でなんて言うの?
では、中国語で「現役」はどう書くのでしょうか。
中国語にすると「現役」は「现役」となり、意味も「軍人の現役、スポーツ選手の現役」となります。
中国語の「现」も「いま」や「目の前で」といった意味になるので、日本語の「現役」とほとんど同じ意味で使うことができそうです。
「現役軍人」を中国語にすると「现役军士」となり「現役士官」は「现役军官」です。
军は軍という意味です。
文字が日本より複雑なので難しそうに見えますが意味は同じなので、覚えてしまえば解読は簡単そうです。
現役の類義語や関連語は?
「現役」という言葉を置き換えられる類義語を探してみましたが、同じような意味の「現役」を使わない言葉を探すのは少々難しそうです。
しかし「老齢にも関わらず以前と変わらないくらい活躍すること」という意味での現役の場合は「健在」「衰え知らず」などが類義語として使えます。
文化やスタイルが残っているという意味での「現役である」は「息衝く」「廃れていない」「根付いている」「活かされている」などが類義語になります。
現役の対義語は?
「現役」の対義語はその「現役」の職業別にかわります。
社会で役職を持ち活動中であるという意味の「現役」の反対は、仕事の第一線から退くといった意味で「引退」が対義語となります。
スポーツ選手や会社員などがこれに当ります。
兵役の「現役」の場合、軍人が兵役を退くことが対義語となるので「退役」です。
学生が在学中に上の学校を受験するという意味の「現役」の反対は、卒業後進級できず翌年に備え勉強しているという意味で「浪人」が対義語になります。
現役を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
「現役」という言葉から連想されるのはやはり「生涯現役」でしょうか。
日本では2010年に65歳以上の人口が総人口の21%を越え、超高齢化社会となりました。
今後ますます高齢者率は高くなっていくでしょう。
生涯現役とは、元気な高齢者が若い頃と変わらず元気に活動を続けることを言います。
この言葉のように、生まれて死ぬまで生き甲斐を持ち続け、社会の役に立ち、元気に活動しつづけられるよう、健康にも気を配りたいものです。
現役にまつわるサイト
では「現役」から連想されるサイトをご紹介しましょう。
こちらはサッカーの情報サイトから。
意外なクラブで「現役」を続けている有名選手達を取り上げています。
http://www.toshin.com/hs/
「現役」といえば現役合格。
日本一の有名大学現役合格率を誇る予備校の東進の公式サイトです。
現役の意味や使い方についてのまとめ
現役には「現在兵役についていること」「現在もある地位・役職で活動し続けていること」「学生が在学中に上の学校に合格すること」という意味があります。
そのそれぞれで「現役」の人の就いている職業が違う(軍人・スポーツ選手なども含めた普通の職業・学生)ために、英語での表現や対義語が変わってきます。
また「現役」は類義語が探しにくい言葉でもあるようです。
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