お金に関わる日本語で、日常的に使われるもののひとつに「返金」があります。
この言葉は単純にお金を返すという意味で使われます。
今回は「返金」という言葉について掘り下げて説明していきたいと思います。
また「返金」と混同しがちな「返済」や「払い戻し」などの類義語とその使い方についても、併せてご説明しましょう。
目次
返金の読み方
「返金」とは「へんきん」と読みます。
「返」とは「かえす」「へん」「かえる」と読み「もとに戻す」という意味や「回数を数える語」としても使われます。
「金」は「きん」や「かね」「こん」と読み、金属鉱物の総称として使われたり、金銭やおかねという意味があり、「金のたまご」などといった言葉からもわかるように貴重なもののたとえとしても使われます。
しかし「返金」はお金を返すことなので、金はお金のことを表しています。
返金の意味について
「返金」とは言葉の意味から「借りていたお金を返す」「一旦支払われたお金を返す」ということになります。
「返金」と似た言葉では「返品」「返済」「払戻」などがあります。
故障などで買った品物を返すときには「返品」です。
「払戻」は宝くじなどの当選金が支払われたりする時に使う他、チケットの解約でも使います。
「返済」は借金を返す時に使う言葉で「返金」と同じように使えそうですが、「返金」は主に預かっていたお金を返す時や返品に対するお金の返却、中途解約で使われることが多いです。
返金の正しい使い方
預かっているお金を返す時に「返金」が使われますので、買い物での「返品」の際お店がお金を返すことは「返金」です。
借金を返すときは「返済」ですが、国語辞典で調べてみると借金を返す際にも「返金」を使っても間違いではないのです。
しかし「返済」は借りた金銭などを契約通り返すことをいい、多少堅いイメージもあります。
「借金を返金する」は間違いではないのですが、一種の契約である借金を返す行為は「返済」を使った方が一般的に感じる人もいるでしょう。
返金の間違った使い方
「払戻」もまた、一旦支払ったお金を戻すことを言います。
この言葉は舞台などのチケットや宝くじ、ギャンブル、乗り物の切符や入場券を購入した際に使われる言葉です。
金融機関がお金を出す場合も「払戻」なので「返金」では間違いになります。
「払戻」と言われるこれらもお金を返す行為ですが、清算処理されて払い出されるお金は「返金」ではなく「払戻」と言うのが一般的です。
しかし前述している通り「返金」にはお金を返すという広い意味があるので、使い分けの間違い以外で言葉としての間違いになることは少ないかもしれません。
返金を使った例文
では、以上の説明をふまえ「返金」を使った例文をあげてみたいと思います。
「お金を返す」という広い意味で使われる「返金」ですが、ここでは一般的、日常的に使われる「返金」に意識した文章をご紹介しましょう。
これまで説明してきた「返済」や「払戻」など、お金を返す意味の言葉との使いどころの違いにも注目して下さい。
返金の使い方【例文その①】
例文1 商品代金を多く貰い過ぎてしまったときの謝罪電話
「もしもし、○○様でいらっしゃいますか?」
「はい、そうです」
「こちらは××電器と申します。
先日はエアコンをご購入頂きましてありがとうございました。
しかし担当者が配送料を間違えて○○様にお伝えしてしまったため、頂き過ぎてしまった分を返金させていただきたいのですが」
貰い過ぎてしまった配送料の超過分を返す場合や返品された商品に対し返すお金は「返金」と言うのが一般的です。
返金の使い方【例文その②】
例文2 使用後返金が可能な化粧品を紹介する女性
「この化粧水を使いはじめると、ニキビが減ると評判なんですよ」
「ためしてみたい!でもちょっと高いかな…。
ネットで買うとパッチテストもできないし、肌に合わなかったらどうしよう」
「それなら安心ですよ。
この化粧水、使って肌に合わなかったら返品できるの。
返金ももちろんしてもらえるから」
「なら試してみようかな?」
これも、返品に対してのお金の返却なので「返金」です。
返金は英語でなんて言うの?
「返金」を英語にすると「repayment」で「a refund」とも言います。
「返金する」になると「pay back」「repay」「refund」ですが、和訳すると微妙な違いがあります。
「pay back」は金を払い戻す。
「repay」にも払い戻すという意味がありますが、こちらはもう少し広義で使われ、返済する、返金する、報いる、借金を返すなどという意味でも使われます。
「refund」には払い戻す、返済する、償還という意味があります。
返金は中国語でなんて言うの?
では中国語で「返金」とはどう書くのでしょうか。
調べてみたところ「还钱」「还债」「还账」とありました。
しかし「还钱」には「金を返す」、「还债」「还账」には「借金を返す」という意味がありましたので、日本語の「返金」に近いのは「还钱」と表現した方が良さそうです。
还(還)にはかえすという意味があり、钱にはお金や代金という意味があるようです。
例をあげると「返金するのを忘れていました」は「我忘了还钱。」になります。
返金の類義語や関連語は?
前述してきた通り「返金」には広い意味で「お金を返す」という意味があるので、細かくわけて使い方が違うと説明してきた「返済」や「払戻」を始め「返納」「返戻」「還付」なども類義語になります。
全てお金を返すことを意味する言葉ですが「返納」は元の場所や持ち主に返すことをいい免許証を返すことなどに使われます。
「返戻」は元の人に返し戻すことで物の返却などに使われ、「還付」は領有・所有・租借していたものをもとにもどすことで税金などで使われます。
返済、払戻同じく、同じ意味でも使い方や対象によって使い分けます。
返金の対義語は?
では「返金」の対義語はどうでしょうか。
「返金」はお金を返すこと、預かっていたお金を返すことに使います。
その逆はお金を借りることになるので「返金」の対義語は「借金」となります。
また、お金を送るという意味でも対義語になるので「送金」でも正解となるでしょう。
「返金」の対義語はこの2つしかありませんが「借金」の対義語には「預金」「貯金」「貸金」などがあります。
しかしこれら3つは「返金」の同義語ではありません。
返金を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
「返金」お金を返すという意味の、お金にまつわることわざがありました。
「有る時払いの催促なし」は借金の返済はお金に余裕がある時返せばよく、催促も一切しないという意味です。
普通借金をすると利子がつくものですが「有る時払いの催促なし」は借りる側にとっては最も都合のいい、寛大な返済条件と言えますね。
また「愛想尽かしは金から起きる」ということわざもあります。
金回りが悪くなると不仲になる、男女の不仲は金銭が原因であるという意味なので、貸し借りはしっかりと管理して「返金」を忘れないようにしたいものですね。
返金にまつわるサイト
ここでは「返金」にまつわるサイトをご紹介します。
https://www.bengo4.com/c_8/c_1838/c_1847/
こちらは弁護士ドットコムというサイトの返金・返品トラブルに関する法律相談のまとめとなっています。
オークションサイトが増え、素人同士のやりとりからトラブルが発生するケースもあるので、ここで弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
「返金」がスムーズに進むことが一番ですが、ときにはトラブルやクレーマーにつながってしまうこともあります。
こちらは社会人の教科書という社会人の為のビジネス情報マガジンです。
「返金」をはじめとするクレーム対応についてまとめてあるので、興味があったら目を通してみて下さい。
返金の意味や使い方についてのまとめ
「返金」とは広い意味で「お金を返す」という意味で使われる言葉です。
「返金」の類義語は多く「返済」「払戻」「返納」「返戻」「還付」などがありますが、返すお金がどういうものに使われたのか、返すものはお金か品物かによって使い分けられています。
「返金」は預かったお金や支払ったお金を返す際に、最も多く使われています。
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