「優劣」と文字にしてみるとなんだか画数も多いですし、難しそうな言葉に思えてきますよね。今回は普段何気なく使っている「優劣」という言葉を深く掘り下げて考えていきます。「優劣」の言葉の意味だけでなく、使い方や使うときのシチュエーション、類義語や対義語、また英語でどのように言うかなど、解説していこと思います。
目次
優劣の読み方
「優劣」を日本語で普通に読むと「ゆうれつ」と読みます。「優」は訓読みすると「やさ(しい)」や「すぐ(れる)」、「まさ(る)」とも読みます。また「劣」を訓読みすると「おと(る)」と読みます。つまり、「優っているもの」と「劣っているもの」を比べるときに使う言葉ということが、字を見ただけでわかります。二つをのものを比べるといっても、何を比べるのか、どのように比べるのかなど様々な疑問が湧きますよね。次の項目で「優劣」の意味について詳しく紹介します。
優劣の意味について
読んで字のごとく「優っているもの」、「優れているもの」と「劣っているもの」の二つの物事の対比を表す言葉です。物事の良し悪しや、能力や質、品性などさまざまなことを対象に使います。「優劣」という言葉でどちらが優れていて、どちらが劣っているのかを比べます。人の能力や成績など、実体のない抽象的なことに対して使うこともあれば、車や電子機器の性能や、衣類や食品の品質に対して使うこともできます。シチュエーションによって「良いか悪いか」なのか「正しいか正しくないか」なのかなどニュアンスが変わる言葉でもあります。
優劣の正しい使い方
「優劣」はふたつのものを比べてどちらが優っていて、どちらが劣っているのかを確認したり判断したりするときに使います。また使う対象は、人や物、能力や環境など比較的どんなものにも使うことができます。「二人の能力に優劣はない。」は二人の能力がほとんど同じであるというニュアンスです。また、「電子書籍と本は優劣がつけられない」というと、「どちらもそれぞれ良いところがあって一概には判断できない」というニュアンスとなります。
優劣の間違った使い方
「優劣」はふたつのものを比べてどちらが優っていて、どちらが劣っているのかを確認したり判断したりするときにのみ使える言葉です。その為、比べていないシチュエーションでは使えません。「Aには優劣がつけがたい。」という文章だと「A」は何と比較して優れているのか、または劣っているのか理解できません。「優劣」を使うときには比較する対象があるのか確認して使うようにしましょう。また、比較するものがあまりに違っていたり、かけ離れていたりすると意味が理解しづらい場合があるので注意しましょう。
優劣を使った例文
「優劣」は昔から使われてきた言葉ですし、文字を見てもとても意味の分かりやすい言葉です。ふたつのものを比較して話すときにはとても便利な言葉ですので、例文を参考にしながら使ってみてください。例えば「電子書籍と本は優劣がつけられない」は電子書籍も本もそれぞれ良いところがあって、一概にはどちらが良いか決められないという意味になります。
優劣の使い方【例文その①】
「AさんとBさんどちらがすごいのかな？」「二人の能力には優劣がつけられないよ。」いう会話を紹介します。これは二人の人を比較して判断しているシチュエーションです。勉学や仕事など、多角的に見て人を判断するときなかなか一概にどちらが優れているのか決められないですよね。この場合、二人の能力を吟味し比べた結果、どちらも同じくらいの能力でどちらが優っていてどちらが劣っているのか判断できない状況を「優劣がつけられない」と表現しています。
優劣の使い方【例文その②】
次に紹介するのは、「優劣」という言葉を人ではなく物を対象に使った会話です。「A社のスマートフォンとB社のスマートフォンはどちらがいいのですか。」「A社のはカメラ機能が良いが音質はそこそこです。B社のは音質はすこぶるいいですがカメラがいまいちです。」「どちらも優劣がつけられませんね。」この場合は、ふたつの商品の良いところ、悪いところを比べてどちらが良いのかを判断しようとしています。人ではなく物を対象に使う場合は、どちらが「良い」のか、または「悪い」のかを比較するニュアンスが強いように思います。
優劣は英語でなんて言うの？
英語で「優劣」は 「superiority or inferiority」と表します。「優れている」が「superiority」、「劣っている」が「inferiority」です。また「優劣がない」ことを「対等である」と解釈し、「be equal」や「be on a par」と表したりします。また「優劣を争う」を「 struggle for mastery」と言ったり「両者は優劣がつけ難い」を「 There is nothing to choose between them 」と言ったりもします。
優劣は中国語でなんて言うの？
中国語で「優劣」は「优劣」と書きます。いくつか例文を紹介します。「产品质量的优劣关系到工厂声誉的好坏。」は日本語で「製品の質の優劣は工場の評判と関係する。」という意味です。また、「不分优劣」は日本語で「優劣を区別しない，よいもの悪いものをいっしょくたにする。という文です。使い方は日本語とほぼ同じで、人や物を比較すると気に」使います。「优劣难分」は日本語で「優劣をつけ難い」という意味で、この言い方は日本語の「優劣」の使い方と非常に近いと言えます。
優劣の類義語や関連語は？
「優劣」の類義語に「良否」、「善悪」などがあります。どちらも二つの物事を比べて、良いか悪いかを判断するときに使います。「良否」は特に物の品質や性能などに使用することが多いです。「良いか悪いか」をしっかり区別したいときや強調したいときに使うことが多いです。「車の品質の良否をみわける」や「パソコンの性能の良否を問う」などと使います。「善悪」は物事や出来事に対して使うことが多いです。「ことの善悪を確かめる」や「善悪の区別をつける」という使い方です。
優劣の対義語は？
「優劣」という言葉自体が「優」つまり「優れたもの」と「劣」つまり「劣ったもの」の対義語になっているため、「優劣」の対義語は存在しません。ここでは、関連した言葉の対義語を紹介します。「優越」と「劣等」です。「優越」は「優れていてより権力のあるさま」を表し、それに対し「劣等」は「普通より劣ったこと」を表します。また、「優越感」と「劣等感」や「優等生」と「劣等性」などの対義語があります。どちらも「優」と「劣」が使われているのでわかりやすいです。
優劣を使った熟語や慣用句、ことわざはある？
「優劣」が入ったことわざや慣用句は存在しませんが、よく使う言い回しがいくつかありますので紹介します。「優劣がつけられない」という言い回しは本当に便利でよく使います。二つの人やものに、能力や品質などの差がほとんどなく、同等と判断した時に使います。「優」と「劣」をわけてみるといくつか熟語が存在します。例えば「優等生」は優秀な生徒を表し、「劣等生」は普通より劣っている生徒を表します。どちらも優れているのか、劣っているのかをある基準に基づいて比べたときに使うことです。
優劣にまつわるサイト
ここでは「優劣」に関するサイトを二つほど紹介します。
https://president.jp/articles/-/16563
このサイトは人材の優劣の付け方が詳しく記されてあります。筆者の仕事における人材に対する考え方が詳しく記されており、とても参考になります。また体験談とともに書かれていますので、より実践しやすい内容となっています。
二つ目はこちらです。
https://blog.riywo.com/2009/05/17/114355/
こちらも人に対する優劣について書かれています。人への考え方や自分への考え方、優劣をつけるべきかつけないべきかなどが記されています。二種類に人を分けて簡潔に筆者の独自の考えを展開しており面白いです。
優劣の意味や使い方についてのまとめ
普段何気なく使っている「優劣」という言葉でしたがいかがでしたでしょうか。「優劣」は使い方やシチュエーションで意味やニュアンスも少しづつ変わる言葉です。また、ふたつの物事を比較した場面でよく使える便利な言葉でもあります。使い方を間違えると意味がわからないこともありますが、難しい言葉ではないので、ぜひ明日から使ってみて下さいね。
コメントを残す