「即時」は、何らかの手続きを行うときや、説明文を読んでいるときなど、日常的によく目にする言葉です。あまりによく使われている言葉なので、深く意味を考えることはなかなかないですよね。今回はいろいろな角度から「即時」を解説していきます!知っているようで知らなかった「即時」についての知識を広げてみましょう!
目次
即時の読み方
「即時」の読み方は「そくじ」となります。「即」という字は、音読みだと「ソク」となり、「ショク」とも読みます。訓読みだと「すなわ(ち)」、「つ(く)」と読みます。「即ち」は本来は「即刻・当時」の意味の名詞でしたが、時を表す名詞は用言を修飾するので「すぐに」、「ただちに」という副詞的意味が使われるようになりました。また、「つまり」、「そこで」、「そうなると」といった接続詞としても使われます。接続詞の用法は漢文訓読から生じた用法です。
即時の意味について
まず「即時」の意味を紹介していきます。国語辞典によるとその意味は「すぐその時。即時、即座。」となっています。ーにを伴って、副詞的な用法もあります。また、「即時的」というふうに使われる場合も多いです。いずれにしても、間をおかないうちにということを強調する意味で用いられます。即時という言葉が単語の前につくと、早く効果や結果が出るといった印象になりますね。信憑性が問われることもあるので、この言葉を用いる時は気を付けなければなりません。
即時の正しい使い方
では、「即時」の正しい使い方を見ていきましょう。「即時」は、すぐにという旨を強調したい時に用いる言葉なので、「即時」と言うのが適切かどうか考えて使わなければなりません。例えば、アルバイトや派遣の仕事をインターネットで探していたとします。特に派遣の仕事などの詳細欄で「即時勤務可」と書かれているのを見ることがあると思います。それは具体的には、採用が決まった日から勤務可能を指すことになるでしょう。「即時」と書いてあるのにも関わらず、一週間程度かかって勤務開始ならば即時勤務可とは言えませんね。
即時の間違った使い方
次に「即時」の間違った使い方を考えてみましょう。「即時」は、早い(速い)ということを伝えるのにとても便利で分かりやすい表現ですが、具体的な時間の長さを考えて、用いても良いかどうかを判断しなければなりません。例えば、「緊急時、即時対応できます」の文言に惹かれて自動車保険に加入したとします。しかし、実際には事故等が起きてから対応まで15分かかったというようなことであれば、即時対応を期待して契約した側としては、その会社に不信感を抱かざるを得ないです。「即時」という表現は容易に用いるべきでないです。
即時を使った例文
ここでは「即時」という言葉を使った例文をいくつか紹介します。
「即時」という言葉は、一般的によく見聞きする言葉ではありますが、普段の友人同士の会話などではあまり使うことがありませんね。
ビジネスの場面や、商品やサービスの宣伝・広告で見かけることが多いです。
具体的にどのように使われるか例文を見ていきましょう。
即時の使い方【例文その①】
デパートのお会計にて。
「当店のクレジットカードはお持ちですか?本日ご入会頂くと、お得なサービスが受けられます。発行手数料、入会費は無料です。」
「どんなサービスが受けられるんですか?」
「即時利用可能なポイントが2000円分付いてきますよ。」
「即時利用可能なポイントだと、このお支払いもポイントでできるんですか?」
「はい、ご利用いただけます。」
「では、入会したいです。」
即時利用可能ポイントとなると、よりクレジットカード入会へのメリットがある印象を受けますね。
即時の使い方【例文その②】
銀行への問い合わせの場面にて。
「今日は金曜日ですが、最短で振込先に入金額が反映されるのはいつでしょうか。月曜日でしょうか。」
「今月から即時入金サービスが開始されましたので、振り込み後、即時反映されますよ。」
「他行へもですか?」
「はい、他行へも365日24時間、即時入金サービスに対応しております。」
「すごいですね!早急に振り込みをしなければならないので、それは助かります。」
「即時」という言葉がつくと、安心感までももたらします。
即時は英語でなんて言うの?
「即時」を英語にすると、”instantly” “immediately” “real time” “straightaway” “promptly” など様々な言い方があります。
“immediately”はビジネスでもよく使われます。”effective immediately”で、「即時発効にて」という意味です。
“The CEO has resigned effective immediately.”で、「その最高経営責任者は即時辞任した。」という意味になります。
即時は中国語でなんて言うの?
次は中国語での表現を紹介します。「即時」は中国語で、「立刻」、「马上」、「即刻」「当即」など、沢山の表現が出来ます。日本語と同じ漢字を用いて「即时」とも言えるようです。
「即时」を中国語で発音すると、jíshí(ジーシー)です。「即时解决」(即時に解決)、「即时交付」(即金で払う)、「即时通讯」(インスタントメッセージ)というふうに、中国語では「即时」を名詞の前に置くことで副詞的な意味として使えます。
即時の類義語や関連語は?
「即時」の類義語や関連語を紹介します。即時の類義語には、「即座」、「即刻」、「早速」、「即席」、「たちまち」など様々あります。関連語には、「時を移さず(ときをうつさず)」、「 間髪を入れず(かんはつをいれず)」などがあげられます。即時に代わる言葉は数多くあるので、非常に実用性の高い意味の言葉だと言えます。何かの商品や企画の売り文句で即時という言葉をよく目にしますが、この一言があるだけでやはり魅力的に感じます。
即時の対義語は?
「即時」の対義語には「漸次(ぜんじ)」、「後刻」、「後程」などがあげられます。「即時」は「すぐ、その時」を指すので、それ以外の時を表す言葉はすべて対義語にあたります。だからこそ、何か物事が始まる、または終えるまでに時間が空く場合には「即時」という言葉を用いるのは適切ではないです。「即時」は時間の短さを強調するのに便利な表現な反面、「即時」ではないと判断されれば、信頼を失うこともあるので気を付けて用いなければならない表現でもあります。
即時を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
「即時」を使った慣用句には、「即時強制」、「即時犯」、「即時記憶」、「即時時効」などがあります。「即時」を使ったことわざは、「即時一杯の酒に如かず」というものがあります。意味は、死んでから受ける名誉より、今すぐ飲める一杯の酒のほうがありがたいということです。古代中国の故事に「即時一杯」の話が出ていることからこの言葉が生じました。即の字を用いた四字熟語「一触即発」、「即断即決」「即身是仏」など多くあります。
即時にまつわるサイト
「即時」と検索してみると、金融系のウェブサイトのサービスについての説明が多く見られます。
https://www.kddi-fs.com/function/temporary/
こちらのサイトでは、クレジットカードが即時利用できるサービスが紹介されています。
興味深いのが、金融系のサイト以外に中国語のニュースサイトも検索結果にあがっていたことです。「即時」という欄があり、即座に見れるニュースの見出し一覧というような意味で使われているようです。
https://udn.com/news/breaknews/1
「即時」という言葉が使われたサービスは多くあることがわかります。それだけ「即時性」が消費者側に求められているということがわかります。
即時の意味や使い方についてのまとめ
「即時」という表現は、見聞きした人にインパクトを与え、魅力を感じさせる売り込みワードとして使われています。「即時」という言葉には惹かれますが、特に広告などに使われているときは、言葉のインパクトに惑わされず、冷静になって本当にそれがいいのか、必要なのか、考えてみることも大切かもしれませんね。また、「即時」を用いるときには本当に確証をもって言えるのか考えることも必要です。
コメントを残す