「変動」という言葉がありますが、この言葉自体は理解するのは難しくないでしょう。恐らく読み方も意味も理解している方がほとんどかと思います。あえて辞書を引く機会も少ないと思いますが、ここでは「変動」の意味や使い方に加えて、英語や中国語での表現や類義語・対義語や熟語、「変動」に関するサイトについてご紹介したいと思います。
目次
変動の読み方
「変動」は「へんどう」と読みます。
「変」は訓読みでは「かわる」「かえる」、音読みでは「へん」と発音します。
「動」は訓読みでは「うごく」、音読みでは「どう」と読みます。
二字熟語には「音読み＋音読み」、「訓読み＋音読み（湯桶読み）」「音読み＋訓読み（重箱読み）」がありますが、
「変動」はいずれも「音読み＋音読み」で読み間違えることも少なく、「へんどう」以外に読み方がないので誤読しにくい熟語と言えるでしょう。
変動の意味について
「変動」は「変わる＋動く＝変わり動く」という意味です。単に「変わる」「動く」というよりも、事態に動きがあって変わること、または変え動かすことを表しています。「変動」という言葉の聞き手側・読み手側にとっては、「変わる」「変える」といった意味で理解しても、大きく意味を読み誤るということはないでしょう。逆に書き手側や読み手は、「変動」の意味を正しく使わないと、文脈や内容によっては違和感が生じる場合もあります。
変動の正しい使い方
「変動」は「物価の変動」や「世の中が大きく変動する」といった使い方をします。これは「物価の変化」や「世の中が大きく変化する」と言い換えてもあまり意味は変わりませんが、特に「物価」というキーワードがある場合は「変動」を使うケースの方が多く、こちらを使ったほうがスマートでしょう。物価は経済状況やその時々の出来事によって常に動的に変わるものです。一度きりの変化というよりは、繰り返し変化するというイメージです。
変動の間違った使い方
「変動」を誤った意味で使ってしまうことはあまりないかと思いますが、ふさわしくない場合はあるでしょう。例えば樹木の葉の色が季節によって変わることを「変動する」と表現すると、間違いではないでしょうが少し違和感があります。この場合は「変化」の方がふさわしいでしょう。「変動」が使われるのは、経済状況や情勢、価格などの抽象的なものが対象で、常に揺れ動いていて落ち着かない状態を表すケースが多いように見受けられます。
変動を使った例文
それでは、「変動」という言葉は日常生活の会話ではどのような場面で使われるでしょうか。
家庭内での会話や友人同士の雑談の中というよりは、ビジネスにおける会話やプレゼンテーション、統計学や金融関連において使うことのほうが多いかもしれません。
ここでは「変動」を使った日常会話の例文を二つ挙げてみたいと思います。
変動の使い方【例文その①】
「A市のここ10年間の人口推移を調査してみました」
「昨年までと比較して、今年は人口が大きく変動しているね」
「はい、新しい鉄道駅が完成したことが大きな理由だと思われます」
このように、集計や統計において「変動」という言葉を耳にする機会が多いかと思います。実は「変動」と言う言葉は統計学用語としても使われており、「各測定値の平均値からのずれの総量が0にならないようにするために、平均値からの変位の二乗和をとったもの」を変動と呼んでいます。
変動の使い方【例文その②】
「ここ最近、暑くなったり寒くなったり、気候がコロコロ変わるね」
「本当だね。こんなに天候が変動すると、何を着ていけばいいか悩むよ」
「何か上着を持って行ったほうがいいね。風邪をひかないようにね」
こちらの方が日常会話らしい使い方です。天候というものは一定ではなく、時間や場所によって常に変化するもので、「気候変動」と言われることも多いですね。人工的な世界では「安定」を作り出すことが可能ですが、自然界においては基本的に多くのものが変動しているのかもしれません。
変動は英語でなんて言うの？
「変動」は英語では「change」、相場などの変動については「fluctuation」と言い換えることができます。「変動する」という動詞で使う場合は「change」または「fluctuate」で表現します。
「物価の変動」は「fluctuations in price」、「それは激しく変動する」は「That fluctuates intensely.」と言います。
「物事の激しい変動」は「a rapid change of circumstances」と表現することができます。
変動は中国語でなんて言うの？
「変動」は中国語では「变动」や「波动」等で表すことができます。「动」は「動」を表しています。「波」という字を使うことで、揺れ動いている様子がイメージできます。
例えば「変動の幅」は「波动幅度」、「価格の変動」は「价格的变动」と表現します。
「それは激しく変動する」という文は「那个激烈地变动」、「地球温暖化は気候変動と結びついている」は「地球温室效应和气候变动有关联」と言います。
「為替相場が変動している」は「汇率在变动」になります。
変動の類義語や関連語は？
「変動」の類義語には、推移（すいい）、変遷（へんせん）、変転（へんてん）等があります。関連用語には「変動為替相場制（へんどうかわせそうばせい）」「変動金利（へんどうきんり）」「変動利付国債（へんどうりつきこくさい）」「変動費（へんどうひ）」など、経済や金融関連の言葉が多く見られます。いずれも、一定ではなく変化していく様子・状態が移り変わっていく様子を表しています。「変動費」の反対語には「固定費」があります。
変動の対義語は？
「変動」の対義語は「安定」です。変わり動かず、一定の状態に落ち着いている様子を表す言葉です。
なお、「安定」は英語で「stablization」「stability」と言い、「安定した動き」は「Stable movement」と表現します。
また、中国語で「安定」はそのまま「安定」と表現します。「安定した生活をする」は「过安定的生活」、「最近の天気は不安定だ」は「最近的天气很不安定啊」と言い換えることができます。
変動を使った熟語や慣用句、ことわざはある？
「変動」と使った熟語は、類義語の項でも説明しましたが「変動為替相場制」「変動金利」や、「変動費」「変動料金制」などの熟語があります。中学や高校の教科書でもこれらの言葉が出てくることがあるでしょう。
また、「変動」と言う言葉が直接含まれているわけではありませんが、「天変地異」という四字熟語はの「天変」は、天候の変動を表しています。
ことわざでは、今での大変動が起きそうな状態のことを「風雲急を告げる」と言います。
変動にまつわるサイト
ここでは「変動」というキーワードをもとに、関連したサイトを2つご紹介します。
■気候変動監視レポート
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/index.html
気象庁の公式サイトで、以前は「地球温暖化監視レポート」と呼ばれていましたが現在は「気候変動監視レポート」と称しています。
世界及び日本の気候変動を中心に、気候変動に影響を与える温室効果ガス、さらにオゾン層等の状況について、毎年、最新の情報を公表しています。
■「変動費」「固定費」「変動費率」の３つを知る
http://www.first-kessan.com/article/13579893.html
簿記を初めて勉強する人に役立つサイトです。「変動費」や「固定費」の他、簿記で登場する用語についてわかりやすく説明しています。
変動の意味や使い方についてのまとめ
「変動」という言葉について説明いたしました。辞書で「変動」を調べたり、インターネットで「変動」について詳しく調べてみる機会はあまりないかもしれませんが、「変動○○」となると専門的な用語が多く、一見しただけでは意味が把握しにくいものもあります。変動の意味を押さえておけば、理解は早まるかも知れないですね。
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