「保持」と聞くと、どの様な事が連想されるでしょうか?「機密保持」や「~を保持する」といった様なものが思い浮かぶかもしれません。ここではこの「保持」の意味やその使い方における正しい使い方、間違った使い方、類義語、対義語、などを紹介します。また「保持」にまつわるサイトなどもあわせて紹介していきたいと思います。
目次
保持の読み方
「保持」の正し読み方は「ほじ」であっています。「ほぢ」ではなく「し」に濁点をつける読み方が正しい読み方になります。保持の「保」は「たもつ」と訓読みでは読むことが出来ます。「持」の場合では「もつ」と読みます。訓読みで「保持」を読むと「たもってもつ」という事になり、その辺りからも言葉の意味が読み取れるかもしれません。「保持」の細かな意味は後ほど紹介しますが、何かを保って持っている状態の事なのかもしれません。
保持の意味について
「保持」の意味は「保ちつづけること。持っていること」という意味になります。先ほどの読み方で紹介した事とほとんど同じで、辞書などにはこのように書いてあります。保ち続けているだけでも「保持」になり、持っているだけでも「保持」という事になります。また、心理学的な意味の「保持」という意味もあり辞書には「先行の経験をたくわえ,保存している状態またはその機能を意味し,学習,記憶,習慣などの前提をなす」と書いてあります。簡単にいうと学習や記憶などの経験を保存している事をいいます。
保持の正しい使い方
では「保持」の正しい使い方ですが、言葉の意味からすると何かを保っていたり、持っていたりすれば正しい使い方になります。たとえば「古い道具を保持し続ける」や「今から作業するので手に保持している道具を使う」は正しい使い方になります。心理的な保持の正しい使い方は「10年前の記憶を今でも保持している」といった使い方は正しい使い方になります。どちらの使い方も正しくて「保持」の使い方は実際に手に持っているか、頭の記憶に保存されているのかの2通りの使い方に分かれます。
保持の間違った使い方
一方間違った使い方では、先ほど紹介した正しい使い方とは違う使い方をしてしまうと、間違った使い方になります。「新しい道具を保持し続ける」と言った表現では先ほどの正しい使い方と違い、何か違和感があります。保持は何かを保っている状態なので、その対象がある程度古いものでないと間違った使い方になります。心理的な「保持」の間違った使い方では「3分前の記憶を保持し続けている」も何か違和感があります。「保持」と使う時はある程度の期間が置かれていないと、保っている意味での保持の使い方は間違った使い方になります。
保持を使った例文
ここでは「保持」を使った例文を会話形式で紹介します。「保持」と口にだす時にはどの様な時に口に出すでしょうか?どちらかというと、かしこまった様な状況の時に使うかもしれません。「~を保持しています」よりも「~を持っています」や「~を保存しています」の方がカジュアルな表現に聞こえます。では実際の「保持」を使っている会話を見てみましょう。
保持の使い方【例文その①】
とある大学の研究員の会話です。
「Aさんすいません、この実験データを持っていてくれますか」
「え?何です急に」
「急で申し訳ないです。明日から海外に行く事になって」
「海外出張?急だね。でもなんでこんな大切なデータを僕に?」
「Aさんを信頼していて、情報の機密保持が出来るのはAさんしか思いつきませんでした。」
「機密保持?」
「ええ、そのデータは機密情報が入っています」
機密保持という言葉は情報やデータを扱う研究施設や企業などではよく使う言葉です。個人情報のデータの流出を防ぐためにも情報を保持する事が大切です。
保持の使い方【例文その②】
どこかの会社の上司と部下の会話です
「我々の産業は品質保持を出来るかどうかで、大きく変わっていく」
「はい、それは社長からいつも言われています」
「その保持能力の有無で信頼も大きく変わっていくぞ」
「その点は我々品質管理部は努力しています」
「努力を保持出来ても、品質保持できるとは限らんぞ」
「品質保持」や「保持能力」という言葉も企業などではよく聞きます。「保持」を使う時は企業などの中で多く使われるのかも知れません。
保持は英語でなんて言うの?
保持を英語に訳すと「hold」(ホールド)「keep」(キープ)「maintain」(メンテイン)「preserve」(プリザーブ)などになります。「maintain」「preserve」はどちらかというとかしこまった言いかたで、ビジネスの世界ではこちらの方がよく使われます。「maintain」の派生語に「maintenance」(メンテナンス)といった単語があります。日本でもなじみの言葉のメンテナンスはこの「maintain」から来ています。
保持は中国語でなんて言うの?
中国語では保持のことを「保持」(パオ チー)と言い書き方は同じで、読み方だけは違います。中国語では「保持」の他に維持を意味する「维持」(ウェイ チー)という言葉があります。中国の「保持」と「维持」では意味合い少し違くて、「维持」の場合は「状態に変化があっても何とかその状態を保つ」事を言い、「保持」では「状態をそのまま保ち続ける」事を言います。中国の日常では「保持」(パオ チー)の方を多く使うそうです。
保持の類義語や関連語は?
「保持」の類義語や関連語は「所持」「所有」「保存」「保有」「維持」などがあります。中国語の「保持」と「維持」の違いがありましたが、日本語でも中国語の違いと同じようなものになります。「維持」の場合には「〈そのままの〉状態で保ち続ける」とい意味が含まれてきて「保持」の場合は「保ち続ける」の状態になれば「保持」になります。「保持」の場合は何かを持っている状態も含まれていて「維持」の場合では保持よりも、何か少し保つ努力が含まれています。
保持の対義語は?
「保持」の対義語には「放棄」「喪失」「破棄」「棄却」などがあります。保持は何かを保っている状態なので、その状態がなくなったり、持っている物を手放すことが対義語に当てはまってきます。心理的な意味の保持の対義語には喪失の他にも「失意」「忘却」なども対義語の中に入ります。記憶や経験の保持は人によっては何十年と持ち続けてある物もあり、その記憶や経験の保持が、人格やその人の性格を作っているのかも知れません。
保持を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
「保持」を使った四字熟語には「機密保持」「秘密保持」「保持期間」「記録保持」「記憶保持」などがあります。どの四字熟語も何か貴重な物を保ち持っているように見えます。「保持」という言葉が日常のカジュアルな場面で出てこないのは、これらの何か貴重もの以外は使いにくいのかも知れません。何かを保つ、ことわざの中に「渋柿の長持ち」ということわざがあります。意味としては「何も役に立たない人は長生きする」または「欠点は必ずしも不幸ではない」といった意味があります。
保持にまつわるサイト
ここでは「保持」にまつわるサイトを2つ紹介します。
『ちゃんと結べていますか?秘密保持契約の基本を解説』
https://ferret-plus.com/8357
こちらのサイトは秘密保持に関する基本的な情報を紹介しているサイトです。今の企業は秘密保持が原則的に担保されていて情報を漏洩させると損害賠償をとられてしまうので、個人であっても気を付けなければなりません。
『最速ハットや最年長ゴール、“珍記録”まで! ギネス世界記録を保持する選手たち』
こちらのサイトは「サッカーキング」というサイトの記事です。サッカーの世界の様々な世界記録を保持している選手を紹介しています。サッカーの中だけでも様々な世界記録があります。日本のレジェンド「キングカズ」も紹介されています。
保持の意味や使い方についてのまとめ
「保持」という言葉の意味を紹介していきました。保持とは何かを保っていたり手に持っていたりする事で、心理的な記憶なども保持と言う事ができます。保持という事は日常ではあまり口出して言葉にする事は少なく、どちらかというと何かかしこまったり貴重な物を保つときに使われる事が多いかも知れません。人の記憶や経験に保持と使われるのは、とても貴重でかけがえのない物だからなのかもしれません。
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