敬語を適切に使うことはビジネスマナーのひとつと言われています。
現代では、敬語の存在自体に疑問を持つ人や、敬語を使うことに抵抗を感じている人もいるようです。
敬語は常に一定ではなく、相手や状況に応じて使い分けも必要で難しいものですよね。
ここでは、その敬語のメリットと敬語をマスターするための方法、敬語の基本項目について紹介します。
目次
ビジネスで敬語を使うメリット
なぜ敬語なんて使わなければいけないの?と考えたこと、ありますよね。
上手に使えるようになった人でも「敬語で話すべき?」と迷うシーンに遭遇することもあるものです。
垣根も壁もないオフィス環境も増えてきて、敬語の必要性も問われますが、上手でも下手でも、ビジネスシーンでのいざ!というときにも敬語は効力を持ちます。
社会人としての品位が分かる
言葉でなくパフォーマンスで勝負する!敬語でなく誠意で接する!という風に考えることは、間違いではありません。
実は、それは当たり前のことです。
パフォーマンスも誠意も持っているからこそ言葉に表す、もしくは出るものと捉えられるようです。
敬語は、社会人としての品位が判断されるひとつのバロメーター。
基本的な敬語は、身に付けてきちんと使えるようになっておいて損をすることはないでしょう。
転職時にも有効なスキル
適切に敬語が使えると、どんな背景が思い浮かべられると思いますか?
日常であれば、背景まで考える人はいないかもしれませんが、転職活動やその面接になると、その点を見なければならない採用担当者は多いものです。
前の職場環境、仕事ぶり、生活の中での人間関係の幅を見極める材料になります。
会社のイメージを決めるものにもなり得るからです。
見た目は、スーツを着たりネクタイを締めれば、すぐに作り出すことが可能ですが、敬語はそうはいきません。
言葉遣いからも、それまでの仕事への姿勢や仕方が浮かんでくるものなのです。
目上の人との交流が円滑になる
目上の人との会話の話題が見つからないという人もいるでしょう。
相手の話に興味を持って聞くだけでも喜んでもらえるものです。
そんなとき、敬語がきちんと使えれば、誰でも気持ちよく話せるということを知っておきましょう。
敬語を気にする人、しない人さまざまですが、幼稚な言葉の反応を不快に感じる人はいても、敬語に嫌な気持ちを抱く人は少ないはずです。
生きてきた長さも含めて、自分とは違う経験を積んできた人の価値観や想いを聞くのは自分の視野も価値観も広げます。
どんどん話してもらうことで、敬語が共通点を見出す鍵になることを感じるでしょう。
主張を柔らかく伝えられる
感情的に伝わりがちな言葉も、敬語にすることで柔らかくなります。
自分の気持ちも落ち着き、堂々とした態度にも繋がるのです。
ビジネスシーンでは強く主張することが必要な場面もありますが、そのままガサツな言葉で表現してしまっては、組織人としても社会人としても失格。
兄弟と喧嘩するときのような言葉を使っては、子供っぽく見られ、頼りがいのない印象を与えてしまうでしょう。
依頼や謝罪、断固とした態度が必要なときなどにも役立つツールになるのです。
ビジネスシーンの敬語をマスターするには
新卒の新人研修でもない限り、敬語を教わる機会というのは少なくなっています。
転職組は、既にマスターしていることが期待されています。
さらには、年齢が上がるにつれて、間違っていても指摘されることが少なくなり、相手は違和感を持ったまま話が進んで、終わるということもあります。
言葉遣いのキレイな先輩を真似る
社内で敬語が上手だなと思える人を見つけましょう。
デスクが近いとラッキーですね。電話の応対や上司との会話に聞き耳を立ててみましょう。
いい言葉はしっかり盗んでください!
しかし、その人と仕事上の接点が多いなら、自分の敬語の練習相手には不足かもしれません。
馴染んでくるうちに言葉が砕けてくる(そのほうが自然な職場もあります)可能性が高いからです。
敬語が必要な人と交流を持つ
自分が敬語を使う必要のある人との交流を積極的に発掘しましょう。
慣れると相手によって少しは砕けたほうがいい場合もあるので、できれば初対面の人に会う機会をたくさん作るといいでしょう。
相手の敬語の使い方で自分の心境がどう変化するかを意識してみるのもいいですよ。
また、自分が話さなくても、誰かと誰かの話の中に入って敬語のやり取りを聞くというのもありです。
会社や店舗のサービスを受ける際に意識する
日常生活の中で、自分が利用者や消費者となるときの提供者側の言葉も、とても参考になります。
例えば、ホテルや旅行社への問い合わせ、電機や電子機器のカスタマーサービス、ちょっとレベル高めの飲食店では、とても気持ちの良い敬語が使われるものです。
実際に店舗や会社でも、電話でも、メールでも、機会があったら敬語も意識して聞いてみてください。
きっと勉強になるはずです。
実践で慣れて、程度を使い分ける
実践の場数が一番の練習です。
しかし、誰かの敬語を参考するときも、言葉遣いだけに集中しないよう気を付けてくださいね。
また、相手や状況によって程度を変えるタイミングは体得で自分で感じ取っていくことは大切です。
例えば、自社では、上司と部下の上下感があまりなく、敬語を使う必要がなくても、取引先の前では、その上司に対してもきちんとした敬語で接します。
ビジネスで使う敬語の基本
敬語には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」「美化語」という種類があります。
これを会話の中で混ぜて使うことになるので混乱しやすいのです。
基本的な敬語のポイントを見ていきましょう。
3つの敬語で使い分け
尊敬語は、相手の動作に対して使い、相手を立てる言い方です。
「おっしゃる」「お見えになる」「ご覧になる」
謙譲語は、自分の立場を下げ、自分側の動作に使います。
「伺います」「申します」「拝見する」
丁寧語は、聞こえを上品にする言い回しです。
「ございます」「です」
美化語は、「お」や「ご」などを付けて上品にする言葉です。
「お帽子」「お食事」「ご意見」
クッション言葉を覚えておく
クッション言葉は数多く存在しています。
できるだけ柔らかく依頼や質問に繋げたい場合に使えます。
そっけなさを排除し、丁寧な印象が伝わるでしょう。
お手数をおかけしますが、
ご存知かと思いますが、
差し出がましいようですが、
大変おそれいりますが、
ご都合がよろしければ、
お差し支えなければ、
紛らわしい第三者表現
・会話は自分と上司(話の内容人物が取引先A社の井上社長)
「A社の井上様がお見えになりました。」
・会話は自分と取引先のB社長(話の内容人物が自分の上司:田中)
「田中は只今、席を外しております。折り返すよう申し伝えます。」
・会話は自分と上司(話しの内容人物は同僚:山田君)
「山田君は今日は直帰するそうです。」
品位を下げる言葉
ついつい使ってしまう、ビジネスシーンに適さない言葉を知っておきましょう。
みたいな →のような
とか →など、や
なにげに →おそらく
なので →ですから、そのため
ちょっと →少々、少し
というか →お言葉を返すようですが
※口癖の場合が多いので慎みましょう。
敬語は心の身だしなみ習慣
敬語が存在するメリットを知って、少し肯定的に捉えることから始め、習得のモチベーションにしてください。
使えてくるとビジネスシーンでのコミュニケーションがよりスムーズになります。
相手にも不快な思いをさせることがないので一石二鳥ですね。
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