本記事では『加算』という言葉について、その意味や使い方、どんな場面で使われるのかなどを例に挙げながら紹介してみたいと思います。
といってもそんなに難しい言葉ではないので、大半の方はその意味も使い方もご存じかと思われます。
『料金の加算』や『消費税の加算』と聞くと気持ちがげんなりしてきますが、『報酬が加算』『残業手当が加算』といわれれば少しやる気が回復してきますよね?
目次
加算の読み方
『加算』と書いて『かさん』と読みます。
特に難しい漢字という訳でもなく、両方とも小学生で習うレベルの漢字ではあるのですが実際に『加算』という言葉を使うのは小学生の高学年か中学生に入ってからでしょう。
ちなみに特定の業種(介護)には『加算』が『業務手当』を意味する場合もあります。
他にも経理関係にて『加算減算』が報酬の増減を意味することもありますが、一般の人がそういった使い方をすることはほとんどないと言っていいでしょう。
加算の意味について
加算を非常に分かりやすく、かつ一言で言い表すなら『足し算』の事です。
算数や数学の基礎である『四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)』のうちの一つで、日用品の買い物からパソコンのプログラミング、CGや動画の作成などにも『加算』が使われています。
「CGや動画のどこに加算が使われているの?」と思う人も多いかも知れませんが、画像合成には『加算レイヤー』『減算レイヤー』というそれぞれの画像の層を足したり、引いたりする手法などがあるのです。
加算の正しい使い方
「なんか注文したお酒と料理の金額より高いような気がするんだけれど…」
「最近は席のチャージ料などを『お通し料金』として自動的に加算する居酒屋が多いんだよ」
「昔はお通しはサービスみたいな物で、料金に加算する店はなかったのになぁ」
一般的にはこういったお金を含めた数字の計算などに加算という言葉を使います。
他には『得点の加算』『報酬の加算』『加算器方式電卓』『療養体制維持特別加算』など、足されることや方式の説明などにも使います。
加算の間違った使い方
「同僚の結婚式や親族の葬式が重なって今月は貯金を切り崩さなければならなかったって上司が言っていたよ」
「うちも今月の出費が”加算”でしまったんで、飲み会は断って下さいね」
こちらもお金の話ではあるのですが『予算がかさんだ』は『嵩んだ』と書き、元々は『かさむ(大きくなる)』という言葉で『加算』とは意味が異なります。
ちなみに『嵩』は物の体積や量、大きさを示す意味を持っており、数字と言うよりは外見や量を言い表す場合に用いられる言葉です。
加算を使った例文
一般的な『加算』の使用例は上で紹介してしまったので、ここでは理解しづらいパターンの例文を2つ紹介してみようかと思います。
パソコンで四則演算と言えばプログラムですが、わざわざコンパイルの必要なプログラムを作らなくてもバッチファイルだけでできるようになったのは非常にありがたいですね。
もう一つの例であるCGや動画作成時の画像合成の加減乗除は未だに私は理解できません。
加算の使い方【例文その①】
A「この数値を50回繰り返し元数値に加算して、結果を出せるプログラムが欲しいのだけれど作れる?」
B「VBで作っても良いけれど、四則演算ぐらいならバッチファイルでも作れるよ?」
A「バッチ用スクリプトに加算減算できる仕組みってあったっけ?」
B「WinXP前後からset /aで四則演算ができるようになったんだよ、for文も外部テキストの指定行を読み込んだりできるよ」
このように簡単な物から専門分野まで広い場面で計算を求められたときに、加算やその他関連類語が使われます。
加算の使い方【例文その②】
C「CGでレイヤー合成の加算と減算ってどう違うんだっけ?」
D「加算は合成するレイヤーの色同士を足して明るい色になって、減算が色を減らして暗い色になるんだよ」
C「んじゃ、特定形状の発光を作りたい場合は加算で良いんだね」
D「合成する形状の元色にもよるけどね、逆に影を作る場合は乗算を使うといいよ」
上はCG作成の例ですが、専門分野で加算減算という言葉が使われても一般人には何を足しているのか引いているのか分からない状況も多々あります。
加算は英語でなんて言うの?
加算の英訳としては『addition』『adder』が一般的に使われ『add』は口語など砕けた会話に使われます。
『sum』や『increment』も加算の意味を持ちますが前者は合計、後者は増分という意味合いの方が強いです。
“Last season was added to his play history, the second year of this season”(彼は昨季がプレー歴に加算され、今季は2年目扱いだ)
例文のようにスポーツの話題など日常会話ではaddを使う場合も多いでしょう。
加算は中国語でなんて言うの?
中国語も英語同様いくつかの種類があり『加法』『增加』『加成』『附加』などがそれぞれ『加算』あるいは『足す』という意味を持っています。
「在中国向游客出售东西的情况下, 往往会在原来的销售价格中增加一定的金额」(中国では観光客に物を売る場合、本来の売値にいくらか加算されることが多い)
上記例では『增加』が使われています。
観光客相手にぼったくり…正規価格に不当に加算した値段で物を売るのはカンベンして欲しいところですよね?
加算の類義語や関連語は?
加算の類義語としては『足し算』『加法』『プラス(plus)』などがあります。
具体的な数値を用いない『上乗せ』『水増し』『かさ増し』なども加えるという意味では類語と言っていいでしょう。
関連語としては『減算(引き算・減方)』『乗算(掛け算・乗法)』『除算(割り算・除法)』等があります。
3つとも書式の整った計算、制度や手法の説明などには使いますが、加算に比べると日常生活で使うことはあまりない言葉ですね。
加算の対義語は?
『加算』の対になっている言葉はこれまでの項目で何度か例に出した『減算』という言葉です。
同じ意味の『引き算』『減法』などもありますが、わざわざ『加算・引き算・乗算・除算』という風に一つだけ言い方を変えるような場面はまずありません。
『加減乗除』や『加算減算』というように四つ、あるいは対になるもの同士で1セットとして使われるのが一般的なので、「加算の対義語は?」と聞かれたら普通は『減算』だけとなります。
加算を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
『加算』は口語と言うより文語や解説用語としての意味合いが強いので、『加算』を使った慣用句やことわざはもちろん、これと言った熟語や慣用句もありません。
余談ですが英語で『加算』の意味を持つ『adder』に『Death(死)』を加えた『Death adder(デスアダー)』という毒蛇がいます。
『死を加算する(加える)蛇』という意味かと思いがちですが、英語の『adder』にはマムシ(毒蛇)という意味があり、単に『死の毒蛇』というだけで加算はまったく関係ありませんのでご注意を。
加算にまつわるサイト
・知らなきゃ損する!レイヤーの合成モードって何?
https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/149235
有名なお絵かきソフトであるクリップスタジオの解説ページの一つです。
レイヤーを合成する際に効果的な処理を画像付きで解説してくれています。
加算減算はもちろんそれ以外の合成方法も一目でその違いが分かるので、これからレイヤー合成を初めて使う人はもちろん、あまり使わない合成方法の違いを思い返したい場合にも便利です。
・Windowsバッチファイル演算子 一覧
http://capm-network.com/?tag=Windows%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E6%BC%94%E7%AE%97%E5%AD%90
cmd.exeの存在しているWindowsで使用できるsetコマンドを利用した、加算を含む四則演算の方法を説明しているサイトです。
簡単な計算ならWindowsの電卓でした方が早くて分かりやすいのでしょうが、複雑な計算式を組み合わせた場合、あるいは加算だけを繰り返したい場合はスクリプトで組んだ方がヒューマンエラーが無くなる分計算ミスをする確率を減らすことができるので便利ですよ?
加算の意味や使い方についてのまとめ
足し算という言葉と同じ意味を持つ『加算』ですが、その言葉がメインで使われるのは難しい計算や、制度や手法に関する説明の場面が多いでしょう。
『加算』という言葉自体は日常生活でも割と使いますが、関連語の『減算、乗算、除算』となると日常で使うことがほとんどないというのもその理由の一つです。
「報酬が減算される」…なんてウソでも使いたくないですからね。
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