「KSCについて色々と知りたい。」
クレジットカードの審査に通りたくて、事前にKSCで確認しておきたい信用情報。
ですが、
・KSCって具体的にどんな機関なの?
・開示請求の方法は?
・信用情報の見方を教えて欲しい
など気になることがあると思います。
そこで、この記事ではKSCの概要と開示請求、信用情報の見方についてまとめました。
目次
KSC(ケー・エス・シー)とは
KSC(ケー・エス・シー)とは日本の国内で活動している民間銀行のほとんどが加盟している一般社団法人全国銀行協会(全銀協)が運営する全国銀行個人信用情報センターです。
三菱UFJ銀行やみずほ銀行など2019年4月1日現在、253の銀行及び関連企業の会員が加盟しています。
全国銀行個人信用情報センターとは
全国銀行個人信用情報センターとは全銀協が設置・運営する個人信用情報機関で、ローンやクレジットカード等に関する個人信用情報を登録し、会員における与信取引上の判断のための参考資料として提供する機能を担っております。
それによって次の3つを実現する役割を果たしています。
- 消費者の支払能力に応じた適正なクレジット契約の実現
- 迅速な情報提供によるクレジット・ローン取引の促進
- 消費者の多重債務・自己破産の未然防止
CICやJICCとの違い
KSCとは別にCIC・JUCCといった信用情報機関もありますが、それぞれの大きな違いは加盟する企業の業態です。
CICは貸金業法と割賦販売法それぞれに基づいて指定を受けた信用情報機関であるのに対し、KSCは貸金業法のみに基づき指定を受けた信用情報機関、そしてKSCは銀行が加盟する一般社団法人全国銀行協会が運用するシステムになりますので、企業が提供するサービスや各機関の加盟要件が異なります。
それによって申し込み予定の金融サービスや契約している金融機関の業態によって、開示請求先の信用情報機関も異なりますので覚えておきましょう。
加盟する主な業態 | KSC | KSC | KSC |
---|---|---|---|
クレジットカード会社 | ○ | ○ | |
消費者金融 | ○ | ○ | |
信販会社 | ○ | ○ | |
保証会社 | ○ | ○ | |
リース会社 | ○ | ○ | |
保険会社 | ○ | ||
携帯電話会社 | ○ | ||
銀行 | ○ | ○ | |
日本学生支援機構 | ○ | ||
信託銀行 | ○ | ||
信用金庫 | ○ | ||
農業協同組合 | ○ | ||
信用組合 | ○ |
KSCに登録される主な信用情報一覧
信用情報の種類 | 登録情報 | 保有期間 |
---|---|---|
照会記録情報 | 会員がセンターを利用した日、ローンやクレジットカード等の申込み・契約の内容など | 照会日より6か月 |
取引情報 | ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴 | 契約期間中および契約終了後5年 |
不渡情報 | 手形交換所の第1回目不渡、取引停止処分 | 第1回目不渡:当該発生日から6か月 取引停止処分:当該処分日から5年 |
官報情報 | 官報に公告された破産・民事再生手続開始決定など | 当該決定日から10年 |
本人申告情報 | 運転免許証など本人確認書類の紛失・盗難など、本人がKSCに申告した内容 | 登録日より5年 |
協会依頼情報 | KSCもしくはKSCの貸付自粛制度を利用し、本人がKSCへ登録を依頼した内容 | 登録日より5年 |
CRIN(クリン)でクレヒスは共有される
CRIN(Credit Information Network、読み方:クリン)とは、信用情報機関3社で情報を交流しているネットワークのことです。
異動情報(延滞・滞納・債務整理・強制解約などが対象)と呼ばれている「金融事故」が発生した際、信用情報機関3社はその情報を共有し合うことで新たな契約や貸し出しを防止します。
いわゆるブラックリストと呼ばれるものが、異動情報を共有するCRINとなるのです。
異動情報以外の正常な情報が共有されることはありませんが、異動情報が一度でも記録されてしまうと国内の金融機関全てに開示されてしまうことを覚えておかなければいけません。
注目!!ブラックリストとは?異動情報が記録される原因と信用情報の影響KSCで信用情報を開示請求する方法
KSCで信用情報の開示請求する方法は「郵送手続き」しかありません。
CICやJICCと異なり、インターネットから手続きできませんので覚えておきましょう。
郵送手続きの流れ
KSCの開示請求の流れを説明します。
- 手順1登録情報開示申込書を用意専用ページから登録情報開示申込書をプリントして用意します。
- 手順2定額小為替証書を購入登録情報開示申込書に同封する手数料1,000円分(税込)の定額小為替証書を最寄りのゆうちょ銀行で購入します。
クレジットカード払いもできますが、指定の用紙に「氏名」「カード番号」「カード有効期限」「カード名義人氏名」を記載して同封するため、セキュリティ上おすすめしません。 - 手順3郵送する登録情報開示申込書と定額小為替証書、本人確認書類のコピーを同封し「一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター宛」まで郵送します。送付先〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-5-1
一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター宛 - 手順4開示報告書の受け取り書類の送付してから約10日程度で報告書が本人限定受取郵便または簡易書留で届きます。
登録情報開示申込書を印刷でき場合
ご自宅にプリンターがない場合は、近くのセブンイレブン・ローソン・ファミリーマート・セイコーマートに設置のマルチコピー機から印刷することが出来ます。
印刷代金は自己負担となります。
速達を希望する場合
開示報告書をできるだけ早く手に入れたい方は、開示申込書の欄外に「速達希望」と記載し郵送代金(290円分の切手)を同封して送付することで速達対応をしてもらえます。
返信用封筒は不要ですので、切手だけ同封してください。
本人確認書類について
KSCで信用情報の開示請求を行うには本人確認書類が必要になります。
次の書類のうち、いずれか2種類のコピーを同封しなければいけませんので事前に用意しておきましょう。
本人確認書類 | 郵送 |
---|---|
運転免許証 運転経歴証明書 | 両面コピー |
パスポート | 写真掲載のページと現住所記載のページをコピー |
住民基本台帳カード(顔写真付き) | 裏面に記載がある場合は両面コピー |
マイナンバーカード (通知カード不可) | おもて面のみコピー |
在留カード 特別永住者証明書 | 両面コピー |
各種障がい者手帳 | 氏名・生年月日・住所欄をコピー |
各種健康保険証 | 基礎年金番号を塗りつぶし住所欄もコピー |
各種年金手帳 | 基礎年金番号を塗りつぶし住所欄もコピー |
戸籍謄本または抄本 | 発行3か月以内の原本 |
住民票 | 発行3か月以内の原本 |
印鑑登録証明書 | 発行3か月以内の原本 |
KSCの開示報告書の見方
KSCの開示報告書で確認すべきは「⑤入金区分・残債額」「⑥返済区分、延滞解消日、完了区分」「⑱照会目的」の3つです。
入金区分・残債額
「入金区分・残債額」は最大2年分の支払状況の履歴が記録されておりますので、クレジットカードヒストリーの良し悪しの確認にも適しています。
入金区分 | 意味 |
---|---|
○ | 請求金額全額またはそれ以上の入金があった |
△ | 請求金額の一部の入金があった |
× | 請求金額全額の入金がなかった |
P | 請求金額について事情により入金がなかった 例)クレジットカードの分割払いで購入した商品に問題があり、返済を中止した、など |
− | 請求なし、または請求なしで入金のみあった |
返済区分、延滞解消日、完了区分
「返済区分、延滞解消日、完了区分」に記載されている情報からは、ブラック情報の確認をすることができます。
全部で5ヶ所に記載項目があり、記載内容によって現在の状況を把握することが可能です。
記載場所 | ステータス | 詳細 |
---|---|---|
返済区分 | 成約 | ローン等のご契約をされたことを示します |
延滞 | お約束の返済日が過ぎても、一定の期間ご返済をされなかったことを示します | |
代位弁済後完済 | 代位弁済になった後に、情報を登録した金融機関等が、お客さまが完済された事実を確認できたことを示します | |
求償債権完済 | 求償債権になった後に、情報を登録した金融機関等が、お客さまが完済された事実を確認できたことを示します | |
保証債務完済 | 保証債務になった後に、情報を登録した金融機関等が、お客さまが完済された事実を確認できたことを示します | |
代位弁済後移管 | 代位弁済になった後に、情報を登録した金融機関等が、お客さまに対する債権が譲渡された事実を確認できたことを示します | |
求償債権移管 | 求償債権になった後に、情報を登録した金融機関等が、お客さまに対する債権が譲渡された事実を確認できたことを示します | |
保証債務移管 | 保証債務になった後に、情報を登録した金融機関等が、お客さまに対する債権が譲渡された事実を確認できたことを示します | |
返済区分発生日 | 日時の記載 | 「延滞」〜「保証債務移管」のいずれかに該当する状況が生じた日を示します |
延滞解消日 | 日時の記載 | 「延滞」となった後に、ご返済が遅れていた分を全額返済され、返済の遅れが解消されたことを示します |
完了区分 | 完了 | ローン等のご契約をされたことを示します |
代位弁済 | 保証会社等がお客様に代わって金融機関等にお借入残金を返済したことを示します | |
保証履行 | ||
強制回収手続 | お客様の何らかのご事情のために、金融機関等がお借入残金の強制回収手段を講じ、またはお取引を解約したこと、もしくは破産したことを示します。ご返済が遅れたために、金融機関等が会計上の貸倒償却処理を行なわれた場合にもこの項目名で登録されます。 | |
保証債務未履行 | お客様が連帯保証人となっている借入者の返済が遅れたために、お客様に対して返済が求められ、一定の期間これに応じて返済することができなかったことを示します | |
移管 | 情報を登録した金融機関等がお客様に対する債権を譲渡したことを示します | |
一括化 | 「一括化」されたクレジットカードまたはその附帯サービスについて登録されます | |
完了区分発生日 | 日時の記載 | 「完了」〜「一括化」に該当する状況が生じた日を示します |
照会目的
KSCの加盟企業の照会履歴が記録された照会記録開示書は「照会記録が多い=金策に翻弄している(多重申し込み)」という状況が確認できること以外に、何を目的に照会されたのかを確認することができます。
照会記録は6ヶ月間保有されるため、前回の審査落ちから半年以内に同じ金融機関に申し込みをしても審査に通ることはありません。
新規契約時や増額申請時の照会履歴も残りますので、照会年月日とその時の支払状況や他社契約状況から、審査落ち原因を推測するのにも役立てると良いでしょう。
照会目的 | 詳細 |
---|---|
新規与信判断 | 新しくローン等を実行するかどうかの判断の参考とするため |
信用状況再調査 | カードの更新を認めるかどうか等のご契約後のお取引の管理の参考とするため(途上与信) |
転居先調査 | ご連絡のないままお客様が転居された場合に転居先の調査を行うため |
KSCに関するよくある質問Q&A
最後にKSCに関するよくある質問をまとめました。
この記事で解決できなかった疑問や質問のある方は、記事下のコメント欄に投稿していただければ順に回答させていただきます。
ブラックリストはありますか?
KSCにブラックリストと呼ばれるリストはありません。
ですが、各金融機関は信用情報に問題を見つければ審査を通しませんので、信用情報の記載内容次第ではブラックリストのような役割を担っていると考えて良いでしょう。
官報情報はいつまで登録されますか?
官報情報の登録期間は破産・民事再生手続開始決定の日から10年後まで登録され、KSCにも同様の情報が10年間残ります。
ただし取引情報や不渡情報そのものは、契約期間中および契約終了後5年(取引停止処分日から5年)となります。
信用情報を削除したい
基本的にKSCに登録された信用情報は訂正・削除することができません。
信用を築くのは一生。信用が崩れるのは一瞬。
信用は続く限り一生積み上げていくものですが、信用が崩れるときは一瞬です。
1回の支払い遅れ、たった3ヶ月の延滞が、今後のクレジットカードやローン契約に影響を及ぼしますので、たかが数千円、たかが1回と思わずに、真摯に向き合って信用を築くよう心がけてください。
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