女性を中心に人気が高い医療事務の仕事。
転職先の候補として、気になっている人も多いでしょう。
「定時で帰れそう。」「事務職だから楽そう。」などのイメージを持つ人もいるようですが、誤解が大きいですよ。
ここでは、医療事務が人気の理由と、医療事務職に対する誤解について紹介します。
目次
医療事務はなぜ人気なの?
スクールや通信講座でトップクラスの人気を誇る資格なのが医療事務。
医療事務への転職を目指す人をよく見かけますが、一体なぜこれほど人気がある職種なのでしょうか。
ここでは、医療事務が人気を集める理由を解説します。
ワークライフバランスが叶いやすいイメージ
医療事務には「時間的な融通がききやすい」「主婦でも家庭と両立できる」というイメージがあります。
近年働き方のテーマであるワークライフバランスが叶う職種のひとつであると思われます。
医療事務がいる職場といえば病院やクリニックなど。
病院やクリニックは外来受付時間が決まっていて、外の人から見れば受付以外の仕事内容はわからないため、定時帰りができそうなイメージをもたれることがあるようです。
将来性が高い医療業界での仕事だから
医療事務が働く医療業界は、今後なくなることがない業界の一つですよね。
高齢化にともない、需要はますます伸び続けていくことでしょう。
業界自体の安定性が非常に高く、娯楽や飲食などと異なり、景気の影響を受けにくいため、雇用が保たれやすい業界でもあります。
同じ事務職をするなら、将来性が高い業界で働きたいと感じるのも人気の理由です。
専門職以外で医療に関わることができる
医療業界にはさまざまな職種の人がいて、多くは医師や看護師、医療技術職などの専門職です。
専門職になるには、専門学校や専門知識が学べる大学などをでて、資格試験に合格する必要があるなど、学生時代から方向性を定めた人でないと難しいですよね。
社会人になってからいざ専門職を目指すには、お金や時間の問題がネックになってハードルが一気に上がります。
しかし、医療事務などの事務職であれば、専門職でなくても医療業界の一員として働くことができます。
転職組として医療業界に入るにはもっとも王道の道ということ。
社会人になりキャリアについて考えた結果「やっぱりこれからは医療業界だ!」と思った人が目指しやすいのです。
資格の学校で人気だから?
スクールや通信講座など、資格の学校の人気ランキングを見ると医療事務が上位に入ることが多いです。
人は、人気の事実をもって評価を決定する傾向にあります。
「人気の資格だから取っておくべきかも。」「人気だからいい仕事に違いない。」と思いがち。
行列ができる飲食店でだされたものを、美味しいものだと思い込んでしまうことと少し似ています。
もちろん多くの人は、自分で仕事内容を調べて確認したうえで資格取得に取り組むわけですが、中にはイメージ先行で目指してしまう人がいるということです。
医療事務に対する大いなる誤解について
仕事のメリットもデメリットも理解したうえで転職してこそ、転職後のギャップを感じにくくなるというもの。
医療事務の仕事にいいイメージを抱いているという方は、現実も確認してから転職を目指すべきでしょう。
ここからは、医療事務職がもたれやすい誤解を紹介します。
医療事務は楽な仕事ではない
まず、医療事務の仕事に楽そうなイメージを持っていた人は、考え方を改める必要があります。
医療事務の仕事は職場によって差が大きいものの、診療報酬請求事務、受付、カルテ管理、入力業務からクレーム対応までさまざまな業務があります。
高齢化が進む日本では病院の待ち時間が問題になるほど患者数が多いため、医療事務も大忙しです。
待ち時間が長引けばクレームにもつながりますし、医師や看護師は自分たちの仕事がありますから、医療事務が間に入って対応しなくてはなりません。
患者さんが帰ったあとにもやるべき事務仕事はありますから、残業がないというわけでもありません。
総合病院の医療事務課では毎日遅くまで残業している人も多くいますよ。
医療関係者と接するということ
医療事務は、同じ事務職だけでなく、医師や看護師などの専門職と接する機会も多くあります。
人の命にかかわる仕事をしている専門職は、緊張感の高い現場で忙しく動き回っているため、常に気を張っている状態。
傍から見ると「きつい」「横柄」「怖い」などの印象を受けることも。
仕事を離れてプライベートで話してみると決してそんなことはない人も多いのですが、職場ではピリピリした雰囲気を持つことになります。
一般企業で働いてきた人にとっては、こうした医療業界特有の緊張感に慣れず、ストレスを感じることがあります。
医師や看護師などの専門職とはどういう存在なのか、他職種への理解がなければ続けることが難しい仕事です。
女性が多い職場だから人間関係につまづきやすい
医療業界は女性が多い職場です。
医師と一部の医療技術を除くと、女性職場と言っていいでしょう。
女性が多い職場には独特の人間関係が発生します。
ベテランから若手までさまざまな年代の女性がいて、全員とうまくやっていくのは難しいことも。
気に入られれば馴染むことができる女性職場ですが、一度嫌われてしまうと仕事がやりにくくなることがあるでしょう。
人間関係でつまづく可能性もあると覚えておきたいですね。
医療業界における事務職の待遇
医療業界でもっとも人件費がかかるのが医師、続いて看護師、薬剤師などです。
深い専門知識をもち、人の命を救える技術があるわけですから当然ですよね。
病気や事故はいつ発生するか分かりませんから、夜勤手当なども膨大にかかります。
医療機関としては、高い給与を払ってでも優秀な医師や看護師、薬剤師たちを集めたい一方、それ以外の職種はできるだけ人件費を抑えたいと考えます。
特に事務職。
医療知識や技術を持たない事務職はあくまでも専門職のサポート業務なので、高い給与を払うことができないのです。
規模が大きい総合病院などに勤めていると事務職でも給与が高いと思われがちですが、一般企業の方がいいことがほとんど。
小さなクリニックともなれば、なおさら給与や待遇に期待はできません。
資格があればいいわけではなく継続学習が必要
医療事務になるには実は資格は必須ではありません。
医療事務の資格があればやる気のアピールにはなりますが、実務ができるかどうかの方が大切。
経験者か、現場で学び続けられる人でなければ評価されません。
医療業界は進歩がめざましく、常に新しい知識を吸収する必要があります。
それは医療事務であっても同様で、診療報酬の改定はおこなわれますし、新しいシステムが次々と導入されれば、その都度対処していくことになります。
パソコンもそれなりに扱えないと大変ですよ。
医療事務の資格を取ったら一生安泰、とはいかないのです。
資格の学校紹介は選択肢少なめ
スクールや通信講座で医療事務の資格を取得すると、医療事務の派遣として紹介を受けられるケースがあります。
学校側と医療機関が提携し、資格取得者を優先的に紹介してくれるというものですね。
ただ、学校がすべての医療機関と提携しているわけではなく、枠数も限られているため、希望通りの職場を必ず紹介されるわけではありません。
自分で転職活動するのに比べ、職場の選択肢が少ないという点は忘れないようにしたいですね。
医療事務は素晴らしい仕事だが幻想を抱かないで!
医療事務などの裏方がいなければ、専門職が自分たちの仕事に専念し、安心して働くことができません。
医療事務の仕事はなくてはならない大切な仕事と言えるでしょう。
それゆえに、楽な仕事という幻想は抱かない方がいいのです。
専門職を支え、地域社会へ貢献するのは決して簡単なことではありません。
しっかり覚悟を決めたうえで転職を目指しましょう。
コメントを残す