「年代」という言葉があります。
日常で沢山使う言葉とは言えませんが、この言葉について調べたいと思います。
「年代」と聞くと2000年代のような表現が浮かびますが、この用法以外にも様々な意味・用法があります。
ここでは、それらの意味や正しい使い方、間違った使い方、類義語や対義語はどんなものがあるのか、またそれらとの意味の違い、英語や中国語で表現するにはどうしたらよいのかについて調べてみました。
目次
年代の読み方
年代は「ねんだい」と読み、これ以外の読み方はありません。
単語を分解すると年+代ですが、年(ねん)はいくつかの意味があります。
一つは「時の単位」また「多くの年月」「年齢」ほかに「穀物、特に稲。また、稲が実ること」といった少し意外な意味もあります。
一方代(だい)の方には接尾語として「時期や年齢のおおよその範囲を示す」意味があります。「だい」には、もちろんこれ以外の意味や別の読み方をする「しろ」等にも様々な意味を持ちますが、年代の意味に関係するのは、この意味です。
年代の意味について
年代は辞書で調べると複数の意味を持つことがわかります。
1.時の長さをあるまとまりで区切ったもの
2.紀元から順に流れてきた年数
3.経過してきた長い年月
4.同じ年齢、または近接する年齢の人の横のひろがり
1の意味では例えば「1980年代」などがその例で、2の意味では「年代順に歴史資料を整理する」のような使い方をします。
3では「この樹木は年代を経たものだ」といった使い方をします。
最後の4は「世代」と同じ意味を持っていますが、この意味では世代の方がよく使われます。
年代の正しい使い方
年代は、読み方や意味のところで述べたように、ある程度の長さを持った時をまとめたものです。
ですから年代は、一定年数を持った時間的に広がりを持った事柄を表す場合にしか使えません。
例えば「1980年代」という言葉は1980年から10年の広がりを持った時期を表します。
まとまった長さとはどれくらいかですが、上の例から少なくとも10年以上という事になります。
西暦・和暦などを区切るのにきりが良い数字なので、こうなっています。
その他の使い方、「年代順に整理」などではもっと長い年数を表す事が多いです。
年代の間違った使い方
年代はある幅を持った時の長さを表す言葉なので、あまりに短い長さの時をまとめたものには使えません。
では「1985年代」で、1985年から1994年を表すなどという使い方は出来るでしょうか。
確かにこれだと10年の範囲を持った時期を扱っていますが、通常このような使い方はしません。
年代は、あるきりの良いまとまった年月を表すので、この使い方の場合は10年代、20年代といった切り方をするのが普通です。
5年代とか、まして3年代といった言い方はしないのです。
年代を使った例文
ここでは「年代」という言葉を使った会話形式の例文を二つ紹介します。
年代という言葉は、日常でよく使う言葉とは言い難いのですが、すこし前の時代をまとめて扱うのには都合のいい言葉です。
その意味ではたまに日常で使う事があるかもしれません。そのような例を一つ上げました。
もう一つは年代測定や年代学など、ある分野の学問関連で出てくる例を挙げてみました。
年代の使い方【例文その①】
まずは、あるまとまりで区切った期間という意味での使い方の例です。
「バブル時代っていつ頃の事なの」
「バブルというのはバブル景気の時代の事で、1986年12月から1991年2月までの時代を指しているよ。
だから1980年代の後半という事になるのかな。あるいは1980年代後半から1990年代前半といえばいいかな。」
この例のように、日常であまり使う言葉ではありませんが、少し過去に起こった事を振り返る場合などで大体どのくらいの頃に起きたかを表すのに都合のよい表現です。
年代の使い方【例文その②】
次は年代から出来た用語を使った例です。
「考古学で出てくるナントカ土器とか、あるじゃん。あれって今から何年前に作られたとかわかるけど、そういうのってどうやって調べるの」
「ああいった物の古さを調べる色々な方法があるんだ。そういった方法の事を年代測定法っていいいうんだよ。」
「で、具体的にはどう調べるの」
「ググれ」
こちらの例は、日常生活では上の例よりもっと使わない例です。
こちらの例は歴史学・考古学などの学問でよく使われる例という事になります。
年代は英語でなんて言うの?
年代を英語で表現した場合、その意味によって対応する表現が異なります。
まず1980年代という場合はthe 1980s(the nineteen‐eighties)という表現になります。
経過した年月を表す場合は「この木は相当年代を経ている」がThis tree is quite old.、「化石の年代を推定する」がestimate the age of a fossilという具合に、意味によってかなり表現が変わってきます。
英語に訳する場合は、その意味をよく考えて適切なものを選ぶ事が必要です。
年代は中国語でなんて言うの?
中国語で年代は「年代」と書きます。意味を見てみると「(時の流れを区切った一定の時期を指し)時代」とか「(1世紀を10年ごとに区切った期間を指し)年代」「(経過した過去の時間を指し)時代,年代」となっているので、日本語とほぼ同じようです。発音は niándài となっています。
漢字を分解して年も、同じ意味を持っていますし代には動詞の意味もありますが名詞では日本語と似た意味を持っています。発音も似てます。
これらから合わせた年代も同じ意味になるのでしょう。
年代の類義語や関連語は?
年代の類義語としては、「時代」「時」「時世」そして「世代」などがあります。
「時代」「時」と「時世」は、ある長さを持った時間のまとまりに関する言葉で、時代は「文化・思想、社会構造などの目安で分けられた相当長さの期間」を表し、「時世」は「時とともに移り変わってゆ世の中」という意味を持ちます。年代とは、時を区分する基準が異なる言葉といえます。
「世代」は人の年齢や役割で分けられた人の集団を表します。年代もこの意味で使われる事がありますが、その場合も「若者世代」といっても若者年代といった言い方はしません。
年代の対義語は?
年代には対義語はありません。
年代はある範囲の時のまとまりを表す言葉なので、その対義語は存在しません。
ただ年代の同義語である時代を考えてみますと、時代にも対義語らしい言葉は存在しませんが、「時代劇」に対しては「現代劇」という対義語が存在するように他の言葉と結びついた時、対義語が存在する事はあります。
ただし、この場合についても「年代」に、これといった対義語は見当たりません。
例えば年代記という言葉がありますが、この単語にも明確な対義語がありません。
年代を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
年代をつかった慣用句として、よく使われるものに「年代記」や「年代物」という言葉があります。
「年代記」とは、歴史上の出来事を年代順にしるしたもので英語ではchronicleといいます。
一方「年代物」は長い年月を経て価値の出た物を表し。例えば「この酒は年代物だ」等の使い方をします。この言葉は日常で使う事も多いでしょう。
いずれにしても、これらの熟語・慣用句では長い年月を経た事で価値が出た物を表現するのに使われる事が多いようです。
年代にまつわるサイト
「年代流行」https://nendai-ryuukou.com/
「総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について」http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/
年代別で検索して出てくるサイトで面白いと思ったものと、色々考えるもの二つを紹介します。
まず年代流行は様々なジャンルでの年代別のランキングを紹介しているサイトです。
扱っているジャンルはヒット曲(洋・邦楽)、映画(洋・邦画)ランキングなど幅広く、各時代にはやっていたものが見れます。
一方「国政選挙の年代別投票率の推移について」は総務省内のページで年代別の選挙における投票率の推移を調べる事が出来ます。選挙に関する関心の推移などが調べられますよ。
年代の意味や使い方についてのまとめ
年代の意味や使い方を、色々見てきました。
年代には色々な意味がありますが、そのどれもあるまとまった時間の範囲を表している事から生じている事がわかります。
この言葉と同義語を比較するとそれらとの差は、表す時間の長さや、どんな基準で時代を分けるのかが異なるという事がわかりました。
英語や中国語に翻訳する場合の注意点も見ました。意味をよく考えて訳するように注意しましょう。
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