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お布施の正しい表書きの書き方とは?注意点などもご紹介

葬儀や法要・法事といった行事場面で渡すことが多い「お布施」ですが、お布施を包んだ封筒などの表書きに悩んでいる方は多いと思います。
実際に葬儀の場や法事・法要の場に出てみると、お布施を渡す前に「何が正しくて何が間違いなのか」という質問をしている方が多く、親戚親族の方に聞いたり葬儀社の方に聞いたりと、式や行事以外のところで慌しい思いをしがちです。
今回は、悩ましい布施の表書きの正しい書き方や各宗教・宗派での注意点、法要・法事での表書きの注意点、水子供養での表書きの注意点、表書きを書き記す際の注意点をまとめましたので、表書きでお困りの方はぜひ参考にしてください。

お布施の書き方の前に、そもそも表書きとは?

そもそも表書きとは、封筒や半紙などの表に文字を書くことを指し上書きと同じ意味を持っています。ですので表書き自体に厳密な作法やマナーがあるというよりも、表書きを使用する場によって作法やマナーは変わります。お布施の場合は書く文字が大抵決まっていますが、宗派や宗教によっては細かい作法やマナーがありますので注意が必要になります。

またお布施とは僧侶やお寺などに差し出すものなので、不祝儀袋ではなく白の封筒で郵便番号の改定ない物を選んで下さい。最近ではコンビニエンスストアなどでも売っていることがあるので、急な場合で仕方ない時は利用してみるといいでしょう。

お布施の表書きに宛名は必要?

一般的に表書きには宛名を書きますが、葬儀や法事・法要での場合は宛名を書きません。
ご祝儀やお祝い事では誰から頂いたかを貰った方が把握する為に必要ですが、お布施の場合は来て頂いた僧侶の方へのお礼ですので宛名を書く必要はありません。

お布施の書き方①仏教の表書きとは?

仏教の宗派のほとんどでは、「お礼(御礼)」「お布施(御布施)」と書かれることが一般的です。まれに「御回向料」「御経料」といった書き方をすることもありますが、人によっては嫌われることもあるので無難な言葉にしておく方がいいでしょう。
仏教の目線から見たときに相応しい言葉を選ぶことが大切だという考えもあり、お金を連想させるような言葉は慎むべきだと考える僧侶の方もいるようです。
しかし同じ仏教でも宗派によって考え方や作法は違う部分もあるので、不安な場合はご自身の所属している宗派のお寺や僧侶に聞いてみることもいいでしょう。

知らずに作法に反するよりも、尋ねて正しい書き方をしているほうがマナー違反の心配がなくなります。

お布施の書き方②各宗派のお布施の表書きとは?

一般的に仏教では「御礼(お礼)」「御布施(お布施)」と書く場合が多いですが、各宗派ごとに表書きの書き方をまとめました。

真言宗
真言宗では「御布施」「お布施」と上段中央に書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。「御経料」「御礼」とは書きませんのでご注意下さい。
曹洞宗
曹洞宗では「御布施」「お布施」と上段中央に書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。
浄土真宗
浄土真宗では「御布施」「お布施」と上段中央に書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。 しかし浄土真宗ではお布施を仏様への感謝の気持ちを示したものとしているため、僧侶個人や寺院への謝礼を意味する「志」「寸志」などは使ってはいけません。マナーに反しているのでご注意下さい。
天台宗
天台宗では上段中央に「御布施」「お布施」「御礼」と書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。
日蓮宗
日蓮宗では上段中央に「御布施」「お布施」「御礼」と書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。
先にも述べましたが、各宗派・各お寺・僧侶個人によって表書きの細かい作法やマナーは変わってきますし、地域によっても内容が変わる場合があります。

ここで書いたのはあくまで一般的な内容ですので、不安な場合はお近くのお寺や僧侶の方、もしくは葬儀社などに確認を取るほうがよいでしょう。

お布施の書き方③神道のお布施の表書きとは?

神道ではお布施とはあまり言いませんが、神式で行う神葬祭においても仏教での葬儀と変わらず、祭祀祈祷のためにきて頂いた神官への感謝をこめてお布施を包みます。仏教・神道に関わらず来ていただいた方への御礼と感謝はして当たり前の伝統です。

神道での表書きでは、上段中央に「御礼」「御祈祷料」「御祭祀料」「御榊料」「御神饌料」「玉串料」と書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。

お布施の書き方④キリスト教のお布施の表書きとは?

キリスト教の場合はお布施とは言いません。あくまでも謝礼は教会への「献金」となりますので仏教的なお布施という表現は避けたほうがいいでしょう。また教会だけでなく司式してくださる神父・牧師様やオルガン演奏者への謝礼もあるので、その場に応じて表書きを変える必要があります。

キリスト教での献金の表書きでは、教会宛の場合は上段中央に「献金」「記念献金」「感謝献金」「ミサ御礼」「御ミサ料」と書き、神父・牧師宛には「御礼」と書き、下段に喪主もしくは葬家の名前を書きます。

お布施の書き方⑤四十九日や法要・法事での表書きとは?

お布施は四十九日・法要・法事の度にお渡しするので表書きに何を書くかも多少ではありますが変わります。

基本的には上段中央に「御礼(お礼)」「御布施(お布施)」と書き、下段中央に法要・法事施主のフルネームか施主の苗字を書き〇〇家と書きます。

ここまでは葬儀や四十九日法要でお渡しするお布施と変わりませんが、一周忌や三周忌と年忌法要を重ねると表書きの右上に〇〇周忌法要と書くようになります。中には〇〇周忌法要と書かない方もいますが、何周忌法要なのかを書くほうが丁寧な印象を受けますので、なるべく書くことをお勧めします。

お布施の書き方⑥水子供養でのお布施の表書きとは?

天寿を全うされた方や、突然の不幸で亡くなってしまった方の法要・法事と同様に水子供養でもお布施を渡すことは大切です。これから広い世界をみて大きく育つはずだった子供の供養ですので、その水子供養を執り行って頂いた僧侶への感謝とお礼はしっかりとするべきです。
この場合もこれまでと同様に、お布施の表書きには上段中央に「御布施(お布施)」と書き記し、下段中央には水子供養をお願いした親のフルネームを書きます。名前に関して母親・父親どちらでも構わず、両親二人の名前を書いてもいいので特に決まった形はありません。また水子供養の場合は「御礼(お礼)」と書かないほうが無難です。
表書きを書き記す際ですが、水子供養のような場合は普通の墨を使わず薄墨を使います。これには理由があり、子供を亡くした悲しみの涙で墨がぼやけてしまったことを表しています。

水子供養のお布施の表書きは、年忌法要と少し違った部分はありますので気をつけてください。

お布施の書き方として表書きは必ず書かなければいけないの?

お布施の表書きのことで悩んでらっしゃる方の中には、「表書きは必ず書かなきゃいけないものなのか?」と疑問に思う方も多く、はっきりと決まったルールがある訳ではないので、「書かなければならない」「書かなくてもいい」とは言えません。しかし表書きを無理して書く必要はないという方も勿論いますが、お礼と感謝の気持ちを込めるなら表書きを書いてお布施を渡したほうが気持ちが伝わりますね。

お布施の書き方の表書きで気をつけることとは?

お布施の表書きで気をつけるべき点はいくつかあります。

各宗派や宗教での書き方の違いは勿論ですが、墨の問題があります。水子供養を除き、四十九日や年忌法要でお布施の表書きを書く場合は薄墨は使いません。
薄墨が持つ意味は、「涙で墨がぼやけてしまいました。」や「突然のことで、十分に墨をする事ができませんでした。」という意味を持っていますので、予め予定が分っている四十九日や年忌法要の表書きには相応しくありません。細かい事かもしれませんが注意が必要です。
また表書きを書く際にボールペンや鉛筆でもいいかという声も聞きますが、表書きを書く際はボールペンや鉛筆はNGです。墨と筆で書くか筆ペンを用いて書き記してください。
最近では表書きがすでに印刷されている封筒などをコンビニエンスストアーでよく見かけるようになりましたが、なるべく印刷されているものは避け手書きで書くことを心がけて下さい。

お布施の書き方とは?まとめ

いかがでしたでしょうか?
お布施の表書きといっても宗教や宗派によって変わり、作法やマナーといった細かい部分の違いから混乱しそうになります。つい面倒になり作法やマナーといった部分がおざなりになってしまいそうになりますが、故人を想い行事を執り行っていただく方への感謝の気持ちを伝える為に作法やマナーなどはしっかりと押さえていきたいものです。

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