削減とは？の意味と使い方を解説

普段良く耳にする言葉の中に「削減」がありますが、具体的にどのようなことをいうのでしょうか？

ここでは「削減」という言葉を深く掘り下げていきたいと思います。

掘り下げるにあたっては、読み方や、意味、正しい使い方、間違った使い方などを紹介していきます。
また例文を使って分かりやすく「削減」の使い方も紹介します。

では始めに「削減」の読み方の解説をしていきます。

削減の読み方

では早速ですが、「削減」の読み方から解説していきます。「削減」はそのまま読むと「さくげん」になります。「削（さく）」の読み方は若干難しいですが、より身近な使われ方として「削除（さくじょ）」があります。

「削」は「けず（る）」と読み、その他に「そ（ぐ）」という読み方もします。また「はつり」という特殊な読み方もあり、材木を手斧でけずった木片のことを指します。

「減」は「へ（らす）」とも読み、言葉通り「物が少なくなっていく様」を表しています。

削減の意味について

続いて「削減」は、「無くてもよい部分をなくす」という意味です。また「数量や分量をより少ないように変更すること」という意味もあります。

社会人の方は「コストカット」という意味で「削減」を使うことが多いかもしれません。ビジネスではコストを下げて利益を創出することが多く、時に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。プラスの意味で使われるというよりは、マイナスの意味で使われるイメージがあると思います。

削減の正しい使い方

「削減」の正しい使い方と間違った使い方を紹介していきたいと思います。「削減」の正しい使い方は、「一部を切り取って取り除く」という言葉のニュアンスを用いるときに使います。

例えば「人件費を削減する」といったように、ある基準と比較して膨らんだ量を減らすというときに使います。

ここでいう基準とは、予算や経費などといった将来的な支出を指すことが多いです。これらは減らせば減らすだけ良いと考えられているため、「削減」とともに使われることが多くなっています。

削減の間違った使い方

間違った使い方は、徐々に減っていく様子に「削減」を使ってしまうことです。「削減」はこれから減らそうという意味で、まだ減ってはいません。

減っていく様子を表すには「低減」が適しています。例えば「絶滅危惧種が低減している」と書くと、人間が手を尽くしているにも関わらず減っていってしまっている、という状況を示すことができます。

既に減っていっている状況に対して「削減」を使うと、それを聞いた相手は「これから減らす」と勘違いしてしまうため注意が必要です。

削減を使った例文

この「削減」という言葉を使って会話形式で2つほど例文を挙げてみます。「削減」は日常会話というよりもビジネスの場面で使われることが多いです。

また「削減」は予め決めておく「範囲」とともに使われており、「予算削減」「経費削減」などといったプレゼンテーションの場面や政府の政策における謳い文句としてよく目にします。

削減の使い方【例文その①】

例文として、部下が上司に商品の予算計画を提出する場面を紹介します。

「田中部長、A商品の開発予算が出来上がりました」
「お、どれどれ。うーん、ちょっと研究費が高くないかな」
「なるほど、ただA商品は新開発のため研究費が高くなるのは仕方ないかと・・・」
「でもこれだと部の予算がオーバーしかねない」
「分かりました。研究部門と掛け合って予算が削減できないか検討してみます」

この「削減」の意味は正しくて、今あるものを削り取ることで総量を減らすことを表しています。

削減の使い方【例文その②】

次は、政府の政策をニュースで伝えるときの「削減」の使い方です。

「次のニュースです。政府は次年度の予算計画を発表しました」
「国の発表によると、軍事費は増強させた一方、教育関連費は昨年比で１割削減する方針ということです」
「これにより教育関係機関からは反発が予想されます」

この「削減」の使い方は政府広報といったいわゆる「固い場面」で使っています。どちらも「削減」の使い方として正しく効果的なものといえます。

削減は英語でなんて言うの？

英語で「削減」を意味する言葉は意外に多く、例えば「コストカット」という意味では「cutback」という単語が使われます。

「cutback」と似た単語に「cut」もありますが、こちらも同様に「削減」を意味するときに使うことができます。

また「curtail government　expenditure」は「政府支出を削減する」という意味ですが、こちらは「cutback」に比べると形式ばった言い方をするときに使われます。

英語では「削減」を使う際に場面によって使用する単語を使い分ける必要があるようです。

削減は中国語でなんて言うの？

「削減」を中国語では「降低」や「環原」といいます。中国の実際の利用シーンでは「削減」という言葉の意味が「何かを減らす」という意味として広く使われていて、「降低」は日常的に使われています。

また日本と同じく日よりも、ビジネスで使用されることが多く、「成本降減」は「コスト削減」という意味でニュース番組でも頻繁に目にします。
中国では以前「1人っ子政策」が取られていましたが、増え過ぎた子供の数を減らしていくという意味で「降減」は当時頻繁に耳にすることができました。

削減の類義語や関連語は？

「削減」の類義語や関連語に何があるかというと、類義語では「縮小」や「低減」があり、関連語では「節減」や「節約」が挙げられます。

どれも「何かを減らす」という意味が含まれています。また既に減っている現在進行形の状況を指すよりかは、これから減らしていこうという未来形の意味が読み取れます。

これらの言葉の中でも「削減」は一番力強く、これから確実に減らしていこう、という意思が強力に感じ取れる言葉となっています。

削減の対義語は？

では、「削減」の対義語はどのようなものがあるのでしょうか？対義語には「増加」や「追加」「添加」といった言葉が挙げられます。

すなわち「増やすこと」という意味であれば、どの言葉も「削減」の対義語ということになります。「削減」は何かを大幅にカットするというニュアンスもあるため、「添加」よりも「増加」のほうがより「削減」の対義語といえるでしょう。

ビジネスの場面では経費や人件費など、何かを減らしていく施策を取ることが多いため、「増加」よりも「削減」を目にすることが多いかもしれません。

削減を使った熟語や慣用句、ことわざはある？

「削減」が使われる慣用句やことわざはあるのでしょうか？探してみましたが残念ながらありませんでした。固い表現だけに、日常的に使われる慣用句やことわざでは用いられていないようです。

しかし熟語では「経費削減」「予算削減」といった四字熟語や、「人件費削減」などの五字熟語があります。

また慣用句ではありませんが、一般的に「予算削減のために大鉈を振るう」などと使われることもあり、トップダウンで大改革をしていくという想い切りが感じられる言い回しです。

削減にまつわるサイト

「削減」とインターネットで検索してみると、ニュース速報などのページが多くヒットします。また「経費削減」を謳うページも多く出てきます。

ここでは「削減」と検索した結果の上位2つを紹介します。

https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/what-is-cost-reduction/
https://www.post.japanpost.jp/business/index02.html

1つ目のサイトは経費削減のためにクラウドサービスを使うことを謳っていて、
2つ目のサイトは郵送サービスの経費削減方法を紹介しています。

「削減」というと、やはり「経費削減」が一番の関心ごとなのかもしれません。

削減の意味や使い方についてのまとめ

「削減」は日常的な場面で使われることは少ない一方で、ビジネスの場面では頻繁に使われる言葉でもあります。

また類義語や関連語から「削減」が「何かをこれから減らしていくこと」ということも分かり、「経費削減」が汎用されていることも分かりました。

混同しやすいものとして「現象少」がありますが、これは既に減っている様子を表す単語です。これから減らしていく「削減」と間違わないように注意しましょう。