普段何気なく使っている言葉の中に「旅先」という言葉がありますが、具体的には一体どのような事を言うのでしょうか。
ここでは「旅先」という言葉を深く掘り下げていきたいと思います。
掘り下げるにあたっては、読み方や、意味、正しい使い方、間違った使い方などを紹介していきます。
では初めに「旅先」の読み方の解説をしていきたいと思います。
目次
旅先の読み方
では早速ですが、「旅先」の読み方から説明していきます。「旅先」はそのまま読むと「たびさき」になります。
「りょせん」や「りょさき」とは読まなくて、「たびさき」だけの読み方になっています。この「旅先」の「旅」は音読みだと「りょ」という読み方をします。
この「たび」という言葉の使い方は、「自宅を離れてよその土地へ行くこと。旅行。」として使われています。また、「りょ」という言葉の使い方は、軍隊を表す意味にもなるようですね。そして「旅先」の「先」は「さき」というおなじみの読み方になります。
旅先の意味について
続いて「旅先」の意味ですが、大辞林では「旅行をしている土地。旅行中の場所。旅行先。」という意味になっています。
また、日本語大辞典では、「旅行をしている土地」、のほかに「旅行中の場所」というような意味で書かれています。
旅の最終的な目的地を指す場合と、旅の途中の、その時いる場所を示す場合という両方の意味を持っている使い勝手の良い言葉ですね。
おおよその人がこの「旅先」と聞くと、「旅行に行った先」という想像をすると思います。
旅先の正しい使い方
「旅先」の正しい使い方は、言葉の意味からすると「場所や空間を移動した」、あるいは「移動している」時にしか使えません。
そのため「旅先」という言葉を使う時には、自宅など同じ場所に留まっている場合は、「旅先」の定義にはそぐわないのです。
例えば、「自宅がある神戸から旅先の東京まで、2時間で着いた。」という場合、今度は東京から、自宅のある神戸に向かって帰る時そこを「旅先」と、言うと日本語本来の意味では矛盾が生じてしまうのです。
したがって「自宅を離れる」という概念も念頭に入れて用いたほうがベターでしょう。
旅先の間違った使い方
「旅先」の間違った使い方ですが、「旅の目的地」でも「旅の道中」でも用いることができて大変使い勝手の良い名詞です。ゆえに、切符を買うときには注意が必要です。例えば、東京から出発し、旅の最終目的地が大阪だとすると、その間に通る京都も「旅先」の表現に入ります。その場合に、例えば、みどりの窓口で、「旅先は?」と尋ねられた際に「京都」と答えてしまうと、残りの大阪から京都までの切符を買うことができなくなってしまいます。
旅先を使った例文
ここでは「旅先」という言葉を使って会話形式で例文をいくつか紹介します。「旅先」という言葉は比較的、日常で使われている言葉だと思います。とくに観光の場面で多く使われており「旅先でお土産を購入する」や「旅先から電話を入れる」と言ったように、日常から離れた場所において何かをする場合に、具体的な地名ではなく、「旅先」とぼかして伝えることも多いです。
では実際の会話の中ではどうなのでしょうか。
旅先の使い方【例文その①】
一つ目の例文は、休暇中の上司に、部下から電話がかかってきた設定で、旅先という言葉を使った例文です。
「課長、今どこですか?」
「今ちょっと旅先でね。後にしてくれないか。」
「得意先の山田さんから、ご伝言がありまして。」
この会話から、「旅先」というワードが、その場所から離れていることを相手に端的に伝えることに便利であることがうかがえます。
このように、相手を煙に巻くような意味合いも、場合によってはありますね。
旅先の使い方【例文その②】
続いては、留学や海外出張から帰ってきた男性とその話を聞き続ける女性というシチュエーションです。
「ロサンゼルスに向かう途中、旅先で出会った女性と恋に落ちた」
「まあ、ロマンチックね!どの辺りが気に入ったの?」
「一目会った瞬間、ビビッときた。この度先を選んだのは、彼女に会うためだったんだ。」
純文学の王道パターンとも言える旅先での出会いが恋に発展する情景です。このように、目的地そのものではなく、その途中も「旅先」と表現できることが示されています。
旅先は英語でなんて言うの?
目的地、すなわち、行き先という意味合いを示す場合は、a destination
「旅行先で」という意味合いを示す場合は、while traveling などと言います。
あるいは、「旅先で」と表現したい場合には、on one’s journey の形で用いることが多いです。もちろん、jorney ではなく tripと置き換えても通用します。
日本語で言うところの「旅」は、主にtrip journey travel などと表現されます。
旅先は中国語でなんて言うの?
中国語での「旅先」の書き方は、行った先という意味の場合、「旅游地」と書きます。日本語で使う漢字でもよく目にする言葉ですね。
「我们在旅游地看了歌舞伎表演。」と書くと、「私たちは旅先にて、歌舞伎を観劇しました。」となります。ちなみに、中国語では、「旅先で受け取る家人からの手紙は万金の値打ちがある」ということわざがあるそうですが、こちらは、「家书抵万金」
と書くのですが、この字そのものには旅先という意味はないようです。
旅先の類義語や関連語は?
「旅先」の類義語や関連語は、「ある場所を見つけるための文書による指示」と解釈した場合に、そのバリエーションは増えます。「出先」「旅行先」「目的地」「到着地」といった意味に加えて、「宛先」「住所」といった意味合いも含まれてくるのです。
旅先という言葉の「旅」という部分を変えると、関連語になることが多いです。例えば、「出向先」「引越し先」「移転先」というように移動を表現する言葉に「先」とつけると旅先のニュアンスが保たれた関連語になります。
旅先の対義語は?
「旅先」の対義語は、明確なものはなく、使うスチュエーションによって異なります。例えば、「ようやく旅先に着いた。」という場合、これは目的地の意味、すなわち「ゴール」ということになります。よって、対義語は「スタート」ということになります。純粋な旅先の対義語となると、意味の上では、自宅や本来所属している場所やものとなるでしょう。従って、「帰路」が近くなってきます。しかし、あくまでニュアンス上の問題であるため、参考程度になさってください。
旅先を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
「旅先」そのものを用いた慣用句や熟語は、あまり多くはありません。しかし、「旅」と「先」に分解すれば、大多数出てきます。代表的な「旅」を用いた慣用句には、「旅の恥はかき捨て」があります。「旅先は長く滞在するわけでもないし、周りに知っている人もいないから恥をかいてもその場限りのものである」という意味です。しかし、最近では世界遺産に落書きをするなど度が過ぎる場合もあるので、鵜呑みにもできないですね。
「先」に注目すると、例えば、「遠征先」や「出張先」など、「移動を伴う名詞+先」という形が多いですね。
旅先にまつわるサイト
https://travel.rakuten.co.jp
「楽天トラベル」さんは旅先でのホテルやそのホテルに泊まるための格安プランなどを紹介してくれるサイトです。
https://www.tour.ne.jp/j_special/ranking/index_win/
トラベルコさんは、人気の旅行先を特集し、ランキングでまとめてくださっているので旅先の選定にも役立ちます。
旅先にまつわるサイトは他にもたくさんありますので、是非調べてみてください。
旅先の意味や使い方についてのまとめ
「旅先」という言葉は、その目的が、ビジネスであれ、休暇中の楽しい旅行であれ、包括的に使える便利な言葉です。また、目的地そのものではなく、その道中、すなわち過程をも表現できる言葉ですので、オールマイティのようにも感じますが、それゆえに聞き手には、その「旅先」というものが、最終的な目的地を指すのか、道中を指すのかわからない場合が訪れます。使用する際は、相手にはどちらの意味なのか示してあげましょう。
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