ここでは言葉の意味を少し詳しく解説します。今回紹介する言葉は「取扱高」という言葉です。取扱高の詳しい意味は後程解説しますが、会社の売る上げに大きく関わるものになります。企業にとって重要な言葉の「取扱高」の意味や正しい使い方、間違った使い方、類義語、対義語、英語、中国語などもあわせて紹介していきます。
目次
取扱高の読み方
「取扱高」の正しい読み方は「とりあつかいだか」と読みます。書き方としては「取り扱い高」や「取り扱高」でも構いません。バラシてみると「取」は「シュ」とも読み「扱」は「ソウ」「扱(しご)く」と読むことが出来ます。「高」は「コウ」とも読めます。「扱」が付くの熟語の中には「扱綸」(そうりん)という熟語があり、意味は釣り糸を引くことを意味しています。取扱高とは直接関係はしていませんが何かを扱う様な時には「扱」という漢字が多く使われます。
取扱高の意味について
では「取扱高」の意味ですが「企業の活動や提供サービスの中で扱われた金銭の総額を意味する語」というような意味になります。よく「取扱高」と「売上高」の違いが分からないと言った質問がネット上でありますが、取扱高と売上高は基本的に違います。簡単に解説しますと、不動産の仲介業者が1,000万円で土地を売却し10万円の利益が出た場合では、1,000万円が取扱高で10万円が売上高になります。取扱高はサービス業や不動産業の方が多く用いる言葉です。
取扱高の正しい使い方
取扱高の正しい使い方は先ほどの言葉の意味で紹介したような意味合いで使えば正しい使い方になります。いくつか例を紹介しますが「すべての取扱高がいくら高くても売上高がマイナスでは話にならない」「仮想通貨の取扱高は利用者と比例している」などの使い方は正しい使い方になります。前者の例では、取扱高がいくら高くても収益が出なければ、赤字になるだけです。また後者の仮想通貨などは取扱高は仮想通貨の利用者によって大きく変動します。売上高と間違えなければ、取扱高は問題なく使う事ができます。
取扱高の間違った使い方
では「取扱高」の間違った使い方ですが、やはり売上高と混合していたりすると間違った使い方になってしまうかも知れません。例えば「取扱高が増えたのでボーナスアップが確実」や「取扱高が減少したので会社が危うい」は間違った使い方になります。前者の例の取扱高が増えても売り上げが出ていなければボーナスには直接反映されることはありません。また、後者の取扱高が減少したからといってマイナス利益になった訳ではないので、その使いい方も間違った使い方になります。
取扱高を使った例文
ここでは「取扱高」を使った例文を会話形式で紹介します。「取扱高」は日常ではあまり声に出して使う言葉ではないかもしれません。どちらかというとビジネスの世界で多く出てくる言葉です。企業の説明や決算の時などに使われ、その企業の1年間の取扱高などは企業にとって大きな指標になります。では、実際に取扱高という時の会話を見てみましょう。
取扱高の使い方【例文その①】
会社の中での取扱高についての会話です。
「うちの会社の今月の取扱高は先月と横ばいだな」
「ああ、特に何もなかったからな」
「来月は新しいプロジェクトが始まるから取扱高も増えるだろ」
「取扱高はそんなに興味ないよ、売り上げが出ればそれでいいさ」
「まあ確かに」
「ただ年々取扱高は増えているから、会社としては成長しているのは間違いないよ」
企業に勤めている人にとっては、会社の取扱高よりも売上高の方が気になるのかも知れません。
取扱高の使い方【例文その②】
友達同士で会社の利益について会話しているときの「取扱高」です。
「なあなあ、あの企業の取扱高700億ってなってるけど、雑誌でみると200億の売上だったぞ」
「それは取扱高と売上高が別の意味だからだよ」
「え?そうなの知らなかった」
「そうだよ取扱高の中にも売上高や経費が含まれてるんだよ」
「なんだ、てっきり雑誌が嘘ついてるのかと思ったよ」
人によっては売上高と取扱高の違いは興味がないかも知れません。社会人ならば違いを覚えておいた方がいいでしょう。
取扱高は英語でなんて言うの?
英語で取扱高のことは「trading volume」(トレーディングボリューム)または「transaction volume」(トランザクションボリューム)と言います。「trading」は取引や貿易などの意味があり、「volume」は「量」という意味なので日本語に直訳すると「取引量」となります。取扱高はすべての取引の金額とも言えるのでその言葉が英語ではなっています。「transaction」の意味は「取り扱い」という意味なので、どちらかというと後者の方が多く使われています。
取扱高は中国語でなんて言うの?
中国語では取扱高のことを「吞吐额」(タン トー ウァー)と書きます。中国では「~高」という意味にあたる言葉が「額」になり、「額」という漢字が日本の「~高」にあたります。また売上高のことは「销售额」(シャン シュー ウァー)と言います。中国でも「取扱高」と「売上高」は違う意味で使われています。中国企業の取扱高は昔と比べても何倍にもなっていて、中国大手のECサイトのアリババなどの取扱高は年々増加しています。
取扱高の類義語や関連語は?
「取扱高」の類義語や関連語には「総取扱高」「総取引額」「総取扱金額」などがあげられます。取扱高は企業が売り上げのための経費や売上高のすべてが含まれているので、それらにあたるような言葉は類義語や関連語になります。また「取扱い」に限定した類義語には「取回し」「手捌(さば)き」「手使い」などがあります。これらの類義語を見てみると、さまざまな物を捌いたり、使ったりした結果が「取扱高」になる事が分かります。
取扱高の対義語は?
「取扱高」にあたる対義語は存在しません。企業の活動で扱った全ての金額なので対義的な物はなく、取扱高の逆の意味もありません。逆の意味をあえて言うと「企業の活動しないすべての金額」や「企業の活動で扱った金額以外のもの」となるのでそのようなものはありません。ただ、売上高の対義語はいくつかあり「損失高」「損益高」などがあります。取扱高には対義語はないですが売上高にはいくつかの対義語があることが分かります。
取扱高を使った熟語や慣用句、ことわざはある?
「取扱高」の四字・五字熟語は「総取扱高」「取扱高推移」「連結取扱高」「取扱高情報」などがあります。取扱高は企業にとってはその企業の評価にもなっているので、その金額が多いと信頼と実績がある企業なのかもしれません。ただ、一概には言えないのも事実で大きな額の取扱高がある企業でも倒産する時はあります。取扱高が高い企業は魅力がありますが、逆をいえばリスクも高く経営者などによってその良し悪しは変わってきます。ことわざにも「一将功成りて万骨枯る」(いっしょうこうなりてばんこつかる)と言った物もあります。
取扱高にまつわるサイト
ここでは取扱高にまつわるサイトを2つ紹介します。
「ゾゾスーツで取扱高7150億円へ」、大風呂敷か世紀の発明か
https://diamond.jp/articles/-/171107
こちらは衣料品のECサイトのZOZOTOWNについての記事を紹介しているサイトです。ゾゾスーツの取扱高に関することが詳しく書いてあり、これからのZOZOTOWNがどうなるかを予想しています。ゾゾスーツだけでも7,000億もの取扱高があるのはとても驚きです。
1日で約6兆円の取扱高を生んだ中国EC大手2社アリババ+JD.comの「独身の日」まとめ
https://netshop.impress.co.jp/node/5948
こちらのサイトは中国の大手ECサイトアリババとJD.comの独身の日だけの取扱高を紹介しているサイトです。アリババは中国のECサイトとしては急成長していて2018年の11月11日(独身の日)の取扱高だけで日本の楽天の1年間の売上高に並ぶ金額が動いたそうです。とてつもない金額が1日で動いたことになります。
取扱高の意味や使い方についてのまとめ
「取扱高」について紹介してきましたがいかがだったでしょうか?取扱高という言葉そのものは、日常会話の中にはあまり出ませんが、知っていた方が売上高と混合しなくて済むと思います。今では先ほど紹介したアリババの様な巨大な取扱高が存在していますが、取扱高が高いから行って上手くいっている企業とは言い切れません。
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